自動運転市場は2026年までに26万3,532台以上に——。レポート販売会社の米Reportocean.comは2020年12月31日までに、新たに「自動運転/自動運転車の市場調査レポート」を追加し、そのレポートにおける自動運転市場の将来予測を発表した。
報道発表によれば、世界の自動運転車市場の複合年間成長率(CAGR)は2026年までの期間で22.64%となり、2026年までに26万3,532台を超える見通しだという。
2019年時点で世界の自動運転市場の過半数を占めているのが「北米」で、2026年までの期間についても「(北米が)世界の自動運転車市場を支配する」(報道発表)という。その要因となるのが、高い生活水準と高い可処分所得だという。
■コロナ禍の2020年も各社の投資傾向は続いた
自動運転業界では技術開発や車両開発のために、多くの企業が研究開発に多額の投資を行っている。そして新型コロナウイルスの感染拡大下の2020年においても、その傾向は大きく変わらなかった。こうした投資額の増加が今後の市場成長を支えていく。
ちなみにこのレポートでは、自動運転車の市場で事業を行っている主要企業として、GM、Alphabet、Uber、Daimler、BYD、日産、ホンダ、テスラ、メルセデスベンツなどを挙げているが、このほかにも日本のトヨタや欧州のVWなども自動運転事業に注力している。
■「政府の規制で自動運転技術が高度化」という視点も
ちなみに今回のレポートに関する報道発表では、ある興味深い一文もあった。「公道での無人自動車のテストに関する政府の規制により、市場のプレーヤーは高度な自動運転技術を導入することができます」という一文だ。
この文が示唆することは、政府が自動運転に対して安全面などで厳しい規制を敷くことで、結果的に各社の技術レベルが上がり、自動運転の技術の高度化が進みやすくなる……ということではないか。
そういう意味では、中長期的な視点でみれば、各国政府は公道実証のための規制緩和はするべきではあるが、商用販売のハードルは一定程度高くするべきかもしれない。その方が民間での技術レベルが高くなって可能性が大きいからだ。
■【まとめ】2021年、各社はより攻めの姿勢に
2021年も今日から始まった。2021年は日本のホンダのほか、各社が自動運転レベル3の車両投入へ向け、より攻めの姿勢を鮮明にするはずだ。引き続き、自動運転業界から目が離せない状況が2021年も続く。
【参考】関連記事としては「自動運転とは?2020年にレベル3解禁、基礎知識を徹底まとめ!」も参照。