楽天・三木谷氏が狙う「超ドル箱ビジネス」!自動運転ロボ配送、実証実験次々

横須賀市で商品配送サービスも



楽天の三木谷浩史社長=出典:Flickr / OFFICIAL LEWEB PHOTOS (CC BY 2.0)

楽天が次なる有望ビジネスに本腰を入れて取り組み始めている。自動運転ロボットを使った無人配送サービスだ。実証実験を次々に開始し、コロナ禍の第3波が到来した2020年12月においても、新たに公道での走行実証実験をスタートしている。

新たにスタートしたのは、神奈川県横須賀市での取り組みだ。自動配送ロボットでのスーパーからの商品配送サービスの実現に向け、公道での走行実証を2020年12月14日から開始している。


経済産業省によると、すでに国内だけでもEC(電子商取引)の市場規模は10兆円を超えた。つまり商品の配送需要は今後も伸び続ける。この超ドル箱ビジネスに楽天はすでに照準を合わせているのだ。

■横須賀市で新たな取り組みスタート!

楽天が12月に新たにスタートした実証実験は、横須賀市馬堀海岸地域の住宅地エリア(約200メートル×約120メートルの範囲)において、低速・小型の自動配送ロボットを自動走行させ、公道を安全に自動走行できることを検証するというものだ。

使用ロボットはパナソニック製で、4台のカメラとセンサーで周辺情報を認識し、人や車などの障害物を自動で避けながら走行する。走行中は、約5キロ離れた横須賀リサーチパークから自動運転ロボットを遠隔監視し、必要に応じて遠隔操作に切り替える。

出典:楽天プレスリリース

今回の実証実験の結果を踏まえ、同地域のスーパー・西友馬堀店から近隣の住宅地への自動配送ロボットを活用した商品配送サービスの実現を目指すようで、2021年前半には期間限定で実サービスとしての展開も試みる計画らしい。


ちなみにこの取り組みは、横須賀市が推進する「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環となる。

■自動配送ロボットに関する楽天の過去の取り組み

楽天は、これまでにも自動運転配送ロボットを使った取り組みを積極的に進めてきた。2019年5月には、千葉大学の構内で一般学生向けに自動運転ロボットを活用した屋外での配送サービスの実証実験を行っている。

この実証実験実験では、学生が専用の注文アプリで購入した商品を、ロボットが指定された日時・場所に構内の生協から配送した。

また2019年9月には、一般利用者からの注文を受けた商品を、横須賀市内の「西友LIVINよこすか店」から「港湾緑地のうみかぜ公園」へ自動走行ロボットを活用して配送するサービスを、約1カ月間実施した。


さら、2020年8〜9月には、長野県茅野市の複合リゾート施設でデリバリーロボットを活用した商品配送サービスを提供した。この際には、中国の京東集団が開発した宅配ロボット「超影」シリーズが使用された。

■【まとめ】三木谷社長の采配に注目が集まる

将来的なビジネスの柱として、自動運転配送ビジネスに対する先行投資を加速させている楽天。自動運転ロボットによる配送は「コンタクトレス」という点で注目を浴び、国も推進する方針をすでに掲げている。ここに楽天の三木谷浩史社長が目を付けないはずがない。

国内では自動運転ロボットによる配送の実証実験に取り組む企業が徐々に増えているが、2021年以降、楽天がこの領域をどうリードしていくのか、三木谷采配に注目が集まる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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