「ハイ、メルセデス」不要!セレンスの音声技術、自動運転時代にむけ大注目

株価も右肩上がり、革新的技術開発に注力



出典:Cerenceプレスリリース

自動運転時代には、車載AI(人工知能)への命令インターフェースとして「音声」が重要な役割を果たすことになる。行き先などを声で車載AIに伝えられれば、手で入力する手間を省けるからだ。実はこのような技術はすでにどんどんと進化している。

例えば、これまでは音声認識をスタートさせる際に「合言葉」(「ハイ、◯◯◯」など)を言うことが求められたが、こうした合言葉いらずで自然と人間の命令を正しく認識する技術も開発されているようだ。







そういう意味で、AI技術や技術を提供する米セレンス(Cerence)がこのほど発表した内容は興味深い。

■「ハイ、メルセデス」というワードなしでも…

米セレンスは2020年12月30日までに、自社の音声関連技術がメルセデス・ベンツの車載システム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)」の第2世代に採用されたと発表した。

報道発表によれば、第2世代の新機能では、電話の応答やナビゲーション地図の表示などの特定のアクションにおいては、「ハイ、メルセデス」というワードを使わなくても良いという。

こうしたことが実現できたのは、声紋認証などの生体認証技術を活用し、パーソナライゼーションとセキュリティが強化されているためだという。さらに全座席からの音声を個別に判別することもできる技術も搭載されているという。

■株価も右肩上がりのセレンス、今後の発表にも期待

こうした技術を開発するセレンスは、AI音声認識技術を手がける米ニュアンス・コミュニケーションズからの分社化によって、2019年10月に設立された企業だ。

モットーは「ユーザーの心を動かす体験を作り上げる」で、音声認識技術だけではなく、ジェスチャーと視線の検知に関する技術の開発にも取り組んでおり、過去にはフロントガラスに投影された情報をジェスチャーで操作する技術を発表し、話題を集めている。

セレンスはこのほか、自動車に乗る人の目線や話の内容から、その人が関心を持つ対象物を外の景色から見つけ出す技術の開発にも取り組んでいる。

こうしたセレンスの技術に注目が集まり、米ナスダック市場に上場しているセレンスの株価は右肩上がりの状況が続いている。自動運転時代がいずれ来る中、車載システムの開発企業への注目が高まっている証拠だと言えよう。

2021年もCerenceからどのような発表があるのか、期待したいところだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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