米アルファベット傘下の自動運転開発企業ウェイモは2020年3月9日までに、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた独自の自動運転システム「Waymo Driver」の第5世代を公式ブログにおいて公表した。既にこの最新システムをJaguarの電動車両I-Paceに搭載し、実証実験に取り組んでいるようだ。
ウェイモは発表したWaymo Driverの第5世代には、これまでと同様「自動運転の目」と呼ばれるLiDAR(ライダー)や高性能カメラ、レーダーなどが搭載されているが、それぞれのスペックが上がっているようだ。発表によれば車両の360度監視は当然のこと、約300メートル離れている物体までの距離や方角、大きさなども把握できるようになっているという。
ちなみにウェイモの公式ブログにおける発表は「Introducing the 5th-generation Waymo Driver」から確認できる。興味がある方はぜひご覧になっていただきたい。
ウェイモはこの第5世代のシステムで実証実験を繰り返したあと、最終的には現在商用サービスとして提供している自動運転タクシー「Waymo One」の車両に導入していくものとみられる。
■潤沢な資金が武器、第6世代も遠くない将来に?
グーグルからスピンアウトして2016年に設立されたWaymo。2018年12月に世界で初めて自動運転タクシーの商用サービスを開始し、現在すでに一部のユーザーに対しては、セーフティドライバーも乗らない完全無人のサービスを提供している。
最近では初の外部資金調達として、米投資会社のシルバーレイクやアラブ首長国連邦のアブダビ政府が出資するムバダラ・ディベロプメント・カンパニーなどから22億5000万ドル(約2400億円)の投資を受けたことでも話題になった。
自動運転業界における調達額としては過去最大規模で、潤沢な資金を武器に自社の自動運転システムにおけるハードウェアとソフトウェアの更新もどんどん進めていくものとみられる。第5世代に続く第6世代も、決して遠くない将来に発表されそうだ。
【参考】関連記事としては「米ウェイモ、2400億円の資金調達を発表 自動運転タクシーで存在感」も参照。