自動運転技術はクルマだけではなくさまざまな応用方法があり、その一つに人が歩くような低速で動く小型の自動走行ロボットがある。人を乗せる自動運転車と違い、万が一人と接触しても命に関わる大事故にはつながりにくい。
株式会社ZMP(本社:東京都文京区/代表取締役社長:谷口恒)は自動運転車の開発で培った技術を生かし、宅配ロボットの「DeliRo」(デリロ)、1人乗りロボットの「RakuRo」(ラクロ)、警備ロボットの「PATORO」(パトロ)という用途が異なる小型の低速自動運転ロボットを、「ロ」シリーズで複数商品化している。
「ロ」シリーズのロボットは周囲の環境を認識して人や自動車などの障害物を検知し、停止や回避などの移動制御機能を持っているのが特徴だ。労働力不足が深刻な日本において、デリロ、ラクロ、パトロがそれぞれに果たす役割とはどのようなものだろうか。
■「ロ」シリーズの三兄弟
デリロは屋外でのデリバリーや物流のラストワンマイルにおける配送を担う小型ロボットだ。最大50キロまで積載できる。スマートフォンアプリと連携させることができ、手軽なデリバリーロボットとしての活用が見込まれている。大学キャンパスやマンションエリア、オフィスビルでの活躍が期待されている。
ラクロは1人乗り用自律移動ロボットで、ロボットのシートに座ってタブレットで行き先を設定すると、目的地まで安全に自動で移動してくれるというものだ。空港や駅、大型ショッピングセンター、ホテル、リゾート施設などにおける移動支援サービスとしての活用が見込まれる。
パトロは自律走行が可能な警備ロボットで、周辺監視や巡回警備に必要な機能を備えている。ビルや施設の管理や地域の見回りなどでの活用が見込まれ、2020年度内の提供開始が予定されている。「ロ」シリーズの中で一番コンパクトな設計で、小回りがきくことが特徴だ。
ZMP社は、低速自動運転ロボットを新たなインフラサービスとして社会に定着させることを目指しているという。今後の展開にも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「五輪までに自動運転実現」 ZMP社長を突き動かす総理との約束」も参照。