「1:2遠隔監視型自動走行」で公道実証!塩尻市でタクシー型乗用車を使用

「複数車両を1人で監視」が将来当たり前に



出典:アイサンテクノロジー・プレスリリース

長野県塩尻市で2021年1月12〜20日にかけ、経済産業省の地域新MaaS創出推進事業「塩尻型地域新MaaS×自動運転実証プロジェクト」における取り組みとして、タクシー型乗用車を用いた「自動運転」公道モデルの実証実験が行われ、その概要がこのほど発表された。

この実証では「1:2遠隔監視型自動走行」を行い、「ODD」(運行設計領域)や遠隔監視技術の実用性、安全性向上に必要な対策が検証された。







「1:2遠隔監視型自動走行」は、「1人の遠隔監視・操作者が2台の無人自動運転車両を運行すること」を指し、複数車両を1人で監視するのが将来当たり前になることを見据えた取り組みとして実施された。ちなみに遠隔監視サポートは東京都内で行われた。

実証実験には、塩尻市振興公社、長野県塩尻市、アイサンテクノロジー、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDIが参加した。コロナ禍により一般試乗は中止したという。

■自動運転レベル4の実用化に期待

塩尻市は、JRの2駅を中心に形成された市街地とその周辺に農山村地域が点在する、コンパクトな田園都市だ。地域の公共交通としてはコミュニティバスなどが運行されているが、ドライバーの担い手不足などの課題があるという。

こうした交通課題の解決に向けて期待されているのが、自動運転レベル4(※国の呼称で言うところの「自動運転車 ※限定領域」)の実用化だ。自動運転レベル4では特定条件化においてシステムが運転の主体となり、人手不足の問題解消につながる。

今回の実証実験では、塩尻駅と塩尻市役所間の約1キロでの「遠隔監視自動運転」と「非遠隔監視自動運転」、塩尻駅と桔梗ヶ原ワイナリーエリア間の約6.7キロでの「非遠隔監視自動運転」が行われた。

■実証実験では「Level IV Discovery」を導入

実施に際しては、自動運転車の走行前から走行中トラブルまでを総合サポートする、自動運転サービス実証向けのインシュアテックソリューション「Level IV Discovery」が導入された。

このLevel IV Discoveryは、損害保険ジャパンとティアフォー、アイサンテクノロジーが共同開発したもので、具体的には、デジタルリスクアセスメントを通じた事故の予防、サポートセンターを通じた事故の見守り、デジタル保険を通じた事故の補償などが含まれる。

出典:Level Ⅳ Discovery公式サイト(https://level4-discovery.org/)

実証実験ではこのほか、ティアフォーが自動運転システムの技術支援を、アイサンテクノロジーが実験総括と高精度3次元地図の提供を、KDDIは4G LTE通信提供などの役割を担った。

■【まとめ】「1:2」が「1:3」「1:4」へと

今回の実証実験のように、人間1人が2台の運行管理を担当するといった取り組みは、今後増えていくと考えられる。そして「1:2」が「1:3」「1:4」へと、実際の実用化に向けて効率化の段階があがっていくはずだ。

引き続き、こうした遠隔監視型の実証実験に注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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