ペット業界も自動運転輸送を実現!ユニ・チャームが関東〜関西を自動走行

ペット通販商品需要の高まりも後押し



出典:株式会社T2プレスリリース

2026年4月2日、三井物産が設立した自動運転スタートアップT2と、ユニ・チャームの生産子会社・ユニ・チャームプロダクツ、キユーピーを親会社に持つ食品物流大手・キユーソー流通システム(KRS)の3社が、ユニ・チャームのペット商品を対象とした自動運転トラックによる幹線輸送の実証実験を開始した。

輸送区間は埼玉県の関東物流センターから兵庫県の関西物流センターまでの約500km。このうち東名高速道路・厚木ICから名神高速道路・吹田JCTまでの約430kmをレベル2自動運転で走行し、2026年4月から11月にかけて計4回実施する計画だ。化学品(住友化学)に続き、今度はペット商品という消費財分野に自動運転輸送の波が及んだ。業種を越えて広がるT2の実証網と、2027年度の自動運転レベル4商用化について解説する。


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3社の取り組みと役割分担

今回の実証の中心となるのはT2が運行するレベル2自動運転トラックだ。T2が車両・自動運転システムの運行を担い、ユニ・チャームプロダクツが荷主として自社のペット商品を提供、キユーピーを親会社に持つ食品物流大手・キユーソー流通システム(KRS)が輸送をサポートする形で3社が連携する。

ユニ・チャームプロダクツはユニ・チャーム株式会社(代表取締役社長執行役員:高原豪久)の生産子会社で、本社は愛媛県四国中央市。今回は関東物流センター(埼玉県)と関西物流センター(兵庫県)を結ぶ幹線輸送でペット商品を提供する荷主として参画した。

KRS(キユーソー流通システム)は1966年設立、東証スタンダード上場の食品物流大手だ。大手食品メーカー・キユーピーを親会社に持ち、4温度帯に対応した全国物流ネットワークを展開。冷凍冷蔵輸送でシェア上位を誇り、食品物流のリーディングカンパニーとして加工食品・外食チェーン・コンビニエンスストアなど幅広い業態にサービスを提供している。今回の実証でT2と組むことで、自動運転という新技術を自社の輸送網に組み込む可能性を検証する。

約500kmを4回走る

今回の実証で走るのは、ユニ・チャームプロダクツの関東物流センター(埼玉県)を出発し、関西物流センター(兵庫県)に到着するまでの約500kmのルートだ。全行程のうち、東名高速道路・厚木ICから名神高速道路・吹田JCTまでの約430kmがレベル2自動運転による走行区間となる。料金所など安全確保が必要な箇所ではドライバーが手動に切り替える。


自動運転レベル2からレベル4へ

今回使用するのは「レベル2」の自動運転トラックだ。ドライバーが監視しながら特定条件下でシステムが自動走行する状態で、運転操作の責任はドライバーにある。一方でT2が目指すのは「レベル4」で、特定条件下においてシステムがすべての運転操作を代替する状態だ。T2は2027年度のレベル4幹線輸送サービス開始を掲げており、今回の実証はそのための有効性と運用上の課題を洗い出す位置付けにある。

ユニ・チャームとKRSは今回の実証を踏まえ、T2のレベル2商用運行への参画、さらには2027年度に予定されるレベル4サービスへの本格参画を検討するとしている。今回の実証は単なる技術確認にとどまらず、「商用化への参加意思決定」という実務的な意味も持つ。

2026年1月には「日帰り輸送」を実施

T2は2026年1月にも、関東〜関西間での1日1往復を前提としたオペレーション実証を実施している。人間のドライバーでは労働時間規制上「片道が限界」とされる関東〜関西間の日帰り往復を、自動運転トラックで実現した取り組みだ。

今回のユニ・チャーム向け実証は、その延長線上にある「荷主実証」という側面も持ち、実際の商品を乗せて走ることで商用化に向けた検証を深める狙いがある。


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化学品、消費財、業種横断で広がるT2の実証網

今回の実証が持つもう一つの意味は「業種の広がり」だ。T2はこれまでに住友化学グループの化学品(合成樹脂)を対象とした商用輸送を化学業界国内初として開始しており、今回のペット商品(消費財)はそれに続く業種拡大の事例となる。

住友化学との商用輸送との比較

住友化学との取り組みでは、住化ロジスティクスが間に入り、化学業界国内初の商用輸送として千葉・袖ケ浦から大阪まで約520kmを定期輸送している。今回のユニ・チャーム向けは「実証実験」の段階で商用運行とは区別されるが、消費財という新たな業種に踏み込んだ点、またKRSという食品物流の専門事業者が加わった点で、T2のエコシステムが着実に拡大していることを示している。

T2が荷主を増やす戦略的意味

T2のビジネスモデルは、荷主企業・物流事業者との実証を重ね、2027年度のレベル4サービス開始時に複数の荷主を商業契約で囲い込むことにある。食品・化学・消費財と異なる業種の荷主が実証に参加することで、幹線輸送の汎用性が実証され、サービス開始時の顧客基盤が厚くなる。今回のユニ・チャームとKRSの参画は、その布石としての役割を果たす。

なぜ今「ペット業界」なのか

今回の実証でユニ・チャームが「ペット商品」を選んだことは偶然ではない。国内のペット市場はここ数年で急拡大しており、ペットフード・ペット用トイレシート・消耗品といった定期購買商品の通販需要が伸びている。商品の特性として壊れにくく常温保管が可能なものが多く、自動運転トラックによる幹線輸送との相性がよい。一方でペット用品は嵩張る割に単価が低い傾向があり、輸送コスト削減のニーズが特に強い商材でもある。

今回輸送するペット商品の一例※出典:T2プレスリリース

2024年問題はペット業界の物流も直撃

ドライバーの時間外労働に上限が設けられた「2024年問題」は、ペット商品の長距離輸送にも影響を与えている。関東〜関西間の定期的な幹線輸送は従来の有人トラックに依存してきたが、ドライバー確保が難しくなる中で代替手段の模索は急務だ。ユニ・チャームとKRSが従来から取り組んできた「拠点の最適化」「パレット輸送の推進」に続く次のステップとして、自動運転トラックを選んだことは自然な流れと言える。

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自動運転輸送は「どんな商品でも」走れるフェーズへ

化学品・ペット商品と続いた今回の実績が示すのは、T2の自動運転トラックが「特定の業種専用」ではなく、汎用的な幹線輸送手段として機能しつつあるということだ。2025年7月の商用運行開始以降、T2は食品・化学・消費財と業種を広げながら実証を積み上げている。

物流の2024年問題を起点にしたドライバー不足は、業種を選ばない社会課題だ。T2が目指す2027年度の自動運転レベル4商用サービスが実現すれば、どの業界の荷主も「自動運転トラックで関東〜関西間を運ぶ」という選択肢を持てるようになる。ペット商品がその可能性の一端を証明した今回の実証は、その第一歩となるだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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