「自動ブレーキ」(衝突被害軽減ブレーキ)がピックアップトラックの衝突事故を40%以上削減できるという研究結果が、このほど米国で発表された。
この記事では、「Partnership for Analytics Research in Traffic Safety」(PARTS)と「米道路安全保険協会」(IIHS)による、最新の分析結果を紹介していく。
■PARTSによる研究結果は?
PARTSは、自動車メーカーによる93車種約4,700万台のデータと、NHTSAによる13州1,200万件の衝突事故をもとに、「前方衝突警告システム」(FCW)と「自動ブレーキ」(AEB)について分析した。
前方衝突警報システムと自動ブレーキの両方を搭載した車両は、搭載していない車両と比較し、前方から後方への衝突が49%減少したという。負傷者を伴う後方衝突は53%減少した。なお、前方衝突警告システムのみを搭載した車両は、それぞれ16%と19%の減少にとどまった。
また、PARTSは「車線逸脱警報システム」や「レーンキープシステム」についても調査しており、これらの技術により車両が車道から逸れることによる衝突は8%減少、負傷者を伴う道路逸脱事故は7%減少することを明かしている。
■IIHSによる研究結果は?
IIHSの研究では、自動ブレーキによってピックアップトラックの後方衝突事故が43%減少することが分かった。
また、2017〜2020年の間に起こったピックアップトラックと他車両間の衝突事故を25州における警察の報告から調査した結果、前方衝突警告システムや自動ブレーキを搭載した車両は非搭載車両に比べ、衝突事故発生率は42%、致命傷を与える衝突は77%も軽減すると分かった。
■自動車が自動運転化すれば・・・
2つの研究結果により、自動ブレーキの搭載は衝突事故を大幅に削減できることが分かった。こうした「自動化」の技術が極まれば、自動車は自動運転化する。そうすれば事故がさらに減ることが予想されるだけに、さらなる搭載技術の進化が待たれるところだ。
【参考】関連記事としては「自動運転はどこまで進んでいる?(2022年最新版)」も参照。