トヨタは新型「プリウス」を2022年11月16日に世界初公開した。「HEV」(シリーズパラレルハイブリッド車)はこの冬、「PHEV」(ブラグインハイブリッド車)は2023年春ごろに発売予定だという。
この新型プリウスに、自動運転機能は搭載されているのだろうか。自動運転ラボとして注目ポイントだ。
■新型プリウスに搭載されたADAS
結論から言うと、新型プリウスに自動運転機能は搭載されていない。搭載されているのは、ADAS(先進運転支援システム)の「トヨタセーフティセンス」と「トヨタチームメイト」だ。ADASは一般的に自動運転レベル1〜2に相当し、自動運転の一歩手前の技術だ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?(2022年最新版)」も参照。
トヨタセーフティセンスは最新の予防安全パッケージで、衝突の回避や被害の軽減をサポートする。このパッケージには衝突被害軽減ブレーキやハンドル操作サポート、追従ドライブ支援機能、車線はみ出しアラート、緊急時操舵支援、レーンチェンジアシストなどが含まれている。
例えば衝突被害軽減ブレーキという機能では、悪天候や夜間の運転時でも、単眼カメラとミリ波レーダーを用いて歩行者や障害物を検出、警報ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせる。ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させ、衝突回避または被害軽減をサポートするという。
また、トヨタチームメイトでは、駐車時のドライバーへの負担を軽減する「アドバンストパーク」を設定している。この機能は駐車・出庫を自動で行うことができることに加え、車外から専用アプリを操作することで、遠隔での駐車や出庫を可能としている。
■ADASも自動運転も事故防止に貢献
新型プリウスに自動運転機能は搭載されなかったものの、自動運転の一歩手前と言えるADAS機能が搭載された。
以前、トヨタ副社長の前田昌彦氏は「レベル2とか3とかではなく、安心して使ってもらえるかということにこだわった」と発言している。高度運転支援技術の新機能「Advanced Drive」を搭載した新型LSと新型MIRAIを2021年4月に発表した際のことだ。この技術は自動運転レベル2に相当する。
トヨタは現状、レベル3以上の自動運転機能の搭載よりも、「人に寄り添った」ハンズオフ機能搭載の車両の開発・販売に注力しているように感じる。
いずれにしても、ADASも自動運転も自動車事故を減らすことに貢献する。日本政府は2025年までに年間死亡事故者数を2,000人以下にする目標値を挙げている。トヨタの技術は確実にこの目標達成につながっていく。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略(2022年最新版)」も参照。