Google系Waymo、自動運転トラックで家具配送

オンラインストアの配送実証を実施へ



出典:J.B. Hunt Transport Servicesプレスリリース

米Google傘下の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)はこのほど、米テキサス州で自動運転トラックによる家庭用家具配達サービスを開始することを発表した。

2022年7〜8月にかけての6週間、家具家電のオンラインストア「Wayfair」の配送サービスにおいて、自動運転トラックを使った配送サービスが実験的に導入されるようだ。


米国を中心に導入が進む自動運転トラックによる配送サービス。今後ますます配送トラックの無人化の動きが加速していきそうだ。

自動運転レベル4の技術で家具をお届け

今回のサービスは、トラック輸送大手の米J.B. Hunt Transport Servicesと共同で行う。

Waymoのクラス8(※アメリカにおけるトラックの重量定義において、「クラス8」は大型トラックに相当)の自動運転トラックを使用し、テキサス州のヒューストンとダラスを結ぶ州間高速道路45号線上を運行する。

自動運転ではあるが、Waymoの社員であり商業免許を持つドライバーとソフトウェアエンジニアの2人が同乗した状態で行われるという。Wayfairにとって自動運転トラックを使用した家具配送は初の試みとなる。


WaymoとJ.B. Hunt Transport Servicesは2021年6月に提携し、レベル4の自動運転システム「Waymo Driver」を搭載した大型トラックで走行実験を行う計画を発表している。今回の実証実験もその一環であると考えられる。

ちなみに、実験が行われるテキサス州は物流市場が大きいことに加えて、自動運転車に対する規制が比較的緩いことから自動運転車の「聖地」(メッカ)とも呼ばれており、各企業が積極的に実証実験を進めている州だ。

【参考】関連記事としては「米テキサス州、自動運転トラックの「メッカ」に」も参照。

■タクシーだけじゃない!運送事業にも注力

Waymoといえば、2018年12月に世界で初めて自動運転タクシーを商用化したことで注目を浴びた企業だ。

同社が行う自動運転の取り組みは、アプリで自動運転タクシーを利用できる消費者向けライドヘイリングサービス「Waymo One」と、トラック輸送や物品配送サービスを行う「Waymo Via」の2つ。最近はトラック運送事業にも力を入れている印象だ。

2020年11月にダイムラートラックと提携し、Waymoが持つ自動運転技術をトラックに搭載して自動運転トラックを実用化させることを発表した。現在、カリフォルニア、アリゾナ、テキサス、ニューメキシコでWaymoのクラス8の大型トラックのテストを行っている。

Waymoが目指すのは、自動運転技術によって配送の効率化を図ること、そしてトラック事故をなくすことだ。他社と連携しながら今後自動配送サービスをリードする存在となっていくか、注目していきたい。

▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/

【参考】関連記事としては「Waymoの自動運転戦略」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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