中国EC大手JDドットコム(京東集団)の系列企業としてスマート物流システム開発を手掛けるJDロジスティクスが、2021年5月中にも上場するようだ。同社は自動運転技術を活用した配送車両・ロボットの開発でも知られる。中国メディアなどが報じた。
報道によれば、JDロジスティクスはこのほど香港証券取引所から新規株式公開(IPO)の承認を受けた。5月21日に価格交渉が行われ、その翌週には上場する見込みだという。自動配送ロボットを開発する企業の上場として、注目を集めそうだ。
報道によると、評価額は最大で400億ドル(約4兆3,500億円)に達する見通しだという。
■「5Gスマート物流モデルセンター」でも注目
2017年設立のJDロジスティックスは、2018年2月には総額25億ドルの資金調達に成功。その後、2019年3月に中国初の「5Gスマート物流モデルセンター」を上海で建設し、話題を集めた。
2019年5月にはJDドットコムとともに、上海国際自動車ショーで自動運転レベル4(高度運転自動化)級の自動運転配送車を初披露した。「ラストワンマイル」を担う車両として、倉庫から配送ターミナル、配送ターミナルから配達員までの運送を行うという。
2020年2月にはJDドットコムが、新型コロナウイルスの渦中にあった中国の武漢にて、自動運転車による医薬品の配送を行っている。この取り組みは、自動運転の「非接触性」(コンタクトレス)が感染拡大防止に有用であることを世界に知らしめた取り組みとなった。
【参考】関連記事としては「皮肉にも新型コロナが気付かせた自動運転の有用性 中国での活用方法は?」も参照。
皮肉にも新型コロナが気付かせた自動運転の有用性 中国での活用方法は? https://t.co/p3sSoebaiz @jidountenlab #自動運転 #有用性 #中国
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 14, 2020
■物流分野では中国企業TuSimpleも4月に上場
2020年から今年にかけ、自動運転技術や関連技術を手掛ける企業の上場が相次いでいる。物流分野では2021年4月、自動運転トラックを開発する中国企業TuSimpleが米ナスダック市場に上場し、話題になった。
JDロジスティックスの株価が上場後、どのように推移していくのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「自動運転トラック開発の中国TuSimple、米ナスダックに上場!株価の推移は?」も参照。