国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)は2021年5月11日までに、交通環境情報ポータルサイト「MD communet」を一般公開した。モビリティ分野で有用なデータの「カタログ」として機能するほか、ビジネスマッチングの場の提供も行う。
MD communetは、NEDOが管理法人を務める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 「自動運転(システムとサービスの拡張)」において、地理系データの流通を促進する取り組みとしてNTTデータが開発したものだ。
2020年11月から試験運用で限定公開されていたが、このほど一般公開を開始した形だ。
▼TOP|MD communet
https://www.adus-arch.com/
■MD communetとは?検索可能なデータは5,217件
ではMD communetが具体的にはどういうものなのかみていこう。NEDOが報道発表で掲げている点は以下の3つだ。
- ①オールインワンのポータルサイト
- ②オンライン/オフサイトでのビジネスマッチングの場の提供
- ③レコメンデーション機能によるビジネス創出・マッチングサポート
特に注目したいのが①で、世の中に存在するさまざまなモビリティ分野のデータを、一元的に検索することが可能だという(一部情報の閲覧や機能・サービスの利用には会員登録が必要になる)。
これまでは自動運転やMaaSに関わる事業者が欲しいデータを探そうとしても、散在しているデータを効率的に見つけるのが難しかった。MD communetはこうした課題の解決に貢献する。
具体的には、自動運転であれば「プローブ情報」「地図系データ」「道路規制系データ」、MaaSでは「イベント系データ」「SNS系データ」「公共交通系データ」、物流では「施設/設備系データ」「走行実績系データ」「ヒト/車両移動系データ」といった具合だ。
ちなみに2021年5月12日時点で検索可能なデータは5,217件に上る。最終更新日ベースで上位に表示されるのが、ゼンリンの「ADAS3.0(HDマップ競争領域データ)」、防災科研SIP4Dの「MP-PAWR:鉛直積算雨水量」などだ。
②と③については、さまざまな交通環境情報の所有者とそのビジネス活用を目指す事業者のコミュニケーションやマッチングの場として機能するという趣旨だ。
■自動運転開発やMaaSサービスの開発を下支え
MD communetを活用することで、効率的にモビリティ分野で役立つデータを検索することが可能になる。まさに自動運転開発やMaaSサービスの開発を下支えしてくれる存在だ。業界関係者はぜひ一度、MD communetを開いてデータカタログなどを使ってみてほしい。
【参考】関連記事としては「MaaS関連データの連携に関するガイドライン、Ver.2.0に!何が変わった?」も参照。