先進モビリティ、第6期は売上高15億円超!自動運転システムを開発

2014年設立の東京大学発ベンチャー



出典:官報

東京大学発ベンチャーの先進モビリティ株式会社(本社:東京都目黒区/代表取締役:青木啓二)の第6期決算(2019年6月1日〜2020年5月31日)が、2021年3月19日付の官報に掲載された。

先進モビリティは2014年6月に設立された東京大学発ベンチャーで、第6期決算では売上高が約15億1,600万円計上されている。当期純損失は約3,800万円。


貸借対照表の要旨(単位:千円)
資産の部
流動資産 1,160,599
固定資産 9,295
資産合計 1,169,894
====
負債及び純資産の部
流動負債 245,491
固定負債 103,393
負債合計 348,885
株主資本 821,008
資本金 709,748
資本剰余金 699,748
資本準備金 699,748
利益剰余金 △588,487
その他利益剰余金 △588,487
純資産合計 821,008
負債・純資産合計 1,169,894

損益計算書の要旨(単位:千円)
売上高 1,516,116
売上原価 1,191,098
売上総利益 325,017
販売費及び一般管理費 313,319
営業利益 11,698
営業外収益 445
営業外費用 6,602
経常利益 5,542
税引前当期純利益 5,542
法人税、住民税及び事業税 43,877
当期純損失 38,335

■信頼性・安全性の高い自動運転システムを構築

先進モビリティは、車両用自動運転システムの開発や車両開発、自動運転車の運用サポートなどを手がけている企業だ。

GPS(全地球測位システム)や磁気マーカーを活用した車両の位置推定技術や、センシング技術や制御技術、運行管制制御などを組み合わせ、信頼性・安全性の高い自動運転システム・車両を構築している。


トラックの隊列走行や自動運転バスなどの実証経験も豊富だ。公道実証における自動運転バスの走行実績は2020年3月末時点で走行距離1万キロ、試乗者は9,000人を超えたという。

2020年2月には三井不動産から出資を受けることが発表された。両社は2019年11月から2020年3月まで、千葉県柏市のつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅周辺エリアで、自動運転バスの営業運行を目指し、自動運転バス実証に取り組んでいた。

2020年6月には損害保険ジャパンと三菱オートリースなどとともに、「自動運転車の導入を支援するソリューション」を共同開発し、発売を開始した。


このソリューションは「自動運転車両、運用支援」(先進モビリティ)、「自動運転車両開発事業者等被保険者追加特約」(損保ジャパン)、「自動運転車用リース」(三菱オートリース)の3つで構成される。

■第7期はさらに売上高を高めていけるか注目

コロナ禍においても他社と共同でソリューションを開発するなど、精力的に事業に取り組んでいる先進モビリティ。第6期ですでに15億円超の売上高を計上しているが、第7期はさらに売上を積み上げていけるか、注目していきたい。

【参考】関連記事としては「自動運転で注目!国内外スタートアップ45社を総まとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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