空飛ぶクルマを開発する米スタートアップのJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)は2021年3月3日までに、SPAC(特別買収目的会社)との統合を通じ、ニューヨーク証券取引所に上場する計画を発表した。
報道発表によれば、統合するSPACは米Reinvent Technology Partners(リインベント・テクノロジー・パートナーズ)だという。
今回の上場計画の発表と同時に、今後の事業計画も発表し、2021年内に広さ約4万2,000平方メートルの機体製造施設の建設に着手することも明かした。
■2024年にエアタクシーサービスの展開を目指すJoby Aviation
2009年設立のJoby Aviationは「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)を開発する企業だ。すでに1,000回以上のテスト飛行を行っている。新たに建設する機体製造施設では、年間数千台の機体の製造を予定しているという。
また、同社はFAA(米国連邦航空局)から電動エアタクシーの安全認証を取得することを通じ、2024年からeVTOLを利用したエアタクシーサービスをアメリカの複数都市でスタートさせることを目指している。
Joby Aviationに出資している企業としては、日本のトヨタ自動車のほか、大手資産運用会社や投資会社などが名を連ねている。トヨタは2020年1月に3億9,400万ドル(約421億円)を出資している。
報道などによれば、トヨタは機体製造施設の設計にも協力しているほか、50人以上の技術者を送り込み、開発の支援もしているという。
■中国EHangも米ナスダックに上場済み
空飛ぶクルマの関連企業で近年上場した企業としては、中国のEHang(ティッカー:EH)がある。2019年に米ナスダック市場に上場を果たしている。EHangの開発モデル「EHang AAV」は、最高時速130キロで最大35キロの飛行が可能だ。
EHangは2020年5月に中国の民間航空局(CAAC)から、eVTOLの商用パイロット運用の許可を取得。8月にはオーストリアの都市リンツとパートナーシップを結び、エアモビリティの実用化に向けた実証を行うとしている。
■【まとめ】空飛ぶクルマ開発企業の上場が相次いでいく将来
グローバル調査会社のマーケッツアンドマーケッツが2019年3月に発表した予測によると、eVTOLの市場規模は2025年には1億6,000万ドル、2030年には4億1,000万ドルまで拡大するという。
成長が見込まれるこの市場において、今後も空飛ぶクルマを開発する企業の上場は続いていきそうだ。
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現濃厚…基礎知識を徹底解説」も参照。