日本貿易振興機構(JETRO)が2021年1月11〜14日までウェブ開催される技術見本市「CES 2021」において、日本の技術力をアピールする場として「J-Startup/JAPANパビリオン」を設置し、最新技術を展示する。
J-Startupは、日本のイノベーション政策の一環として2018年に経済産業省主導で立ち上がった、スタートアップ企業の育成支援プログラムだ。
今回の日本のスタートアップ出展社数は前年の2倍近くの51社で、モビリティ分野で自動運転の目として注目されるLiDARセンサーの技術や空飛ぶクルマの開発を手掛ける日本の企業も参加する。
そのほか、ロボティクスやスマートホーム、IoT、ヘルステック、AI(人工知能)など、多岐にわたる分野の日本企業の技術が世界に向けてPRされる予定だ。
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■「CES 2021」で注目の日本スタートアップ企業はこの3社!
CES 2021は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、今年はオンラインにて開催される。JETROは日本企業が世界で注目を集め海外市場進出の糸口をつかめるよう、出展企業の商品の魅力を伝えるPR動画やJ-Startup独自のウェブページの作成に取り組んでいる。
▼CES 2021 JAPAN Showcase _ Events – Japan External Trade Organization|JETRO
https://www.jetro.go.jp/en/events/ces2021/
この記事では出典する51社のうち、モビリティ分野で事業活動を行う3社を紹介する。
SteraVision(ステラビジョン)
2016年創業の産業技術総合研究所(産総研)発ベンチャーであるSteraVision(本社:茨城県つくば市/CEO:上塚尚登)は、独自の光ステアリングデバイスと光学技術などを活用した次世代型LiDARシステムを開発している。
人間らしい目でありながら、人間の見えないものを見ることができる目を実現することをテーマとし、独自技術により見たいところを好きなだけ詳しく見る「ワープスキャン」を実現していることで知られる。
ワープスキャンの技術は、特に自動運転車や産業用ロボットへの応用が期待されている。
Pyrenee(ピレニー)
2016年創業の株式会社Pyrenee(本社:東京都千代田区/代表取締役:三野龍太)は、交通事故の原因の9割を占めるという人間の判断ミスや発見の遅れを減らすことで、交通事故を減らすことを目指している企業だ。
同社は現在、事故防止のための後付型AI駆動のドライバーアシスタント「Pyrenee Drive」を開発している。シガーソケットにつないでダッシュボードに簡単に設置できる優れものだ。
Pyrenee Driveは、前方のカメラで歩行者や車を認識してその動きを分析し、独自アルゴリズムでヒューマンエラーの可能性を含む未来の危険を予測し、ドライバーに警告する。
ドライバーの好みや行動パターンと危険な場面のデータをクラウドに集め、ディープラーニングで追加学習して成長していくことも、Pyrenee Driveの特徴とされている。
SkyDrive(スカイドライブ)
空飛ぶクルマを開発する株式会社SkyDrive(本社:東京都新宿区/代表取締役:福澤知浩)は、若手技術者による有志団体「CARTIVATOR」から派生し、2018年に設立された。
CARTIVATORは2020年8月に公開有人飛行試験で成功させたことで知られ、同時にSkyDriveが事業拡大段階の「シリーズB」で39億円の資金調達を実施したことも発表された。
現在は2023年度の空飛ぶクルマの実用化と、すでに販売している資材運搬用の「カーゴドローン」の山間部での運用と2022年以降の都市部での活用を目指し、技術・事業開発を進めている。
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現濃厚…基礎知識を徹底解説」も参照。
「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現濃厚…基礎知識を徹底解説 https://t.co/V7XYyKwOTN @jidountenlab
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) November 19, 2020
■【まとめ】CES 2021での「JAPANセッション」にも注目
JETROはCES 2021の会期に合わせ、2021年1月14日にYouTube放映で「JAPANセッション」も開催予定だ。閲覧は「https://www.jetro.go.jp/en/events/ces2021/」から可能で、事前登録は不要で誰でも視聴できるという。
CES 2021を機にどれだけ日本の技術を世界にアピールできるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「業界人必見!CES 2020で発表された自動運転トピックス16選」も参照。