国際会計事務所グループのKPMGインターナショナルは2020年8月31日までに、「自動運転車対応指数」の2020年版を発表した。28個の指標から30カ国・地域をランキング化して評価している。
1位は前回2位のシンガポール、2位は前回1位のオランダで、シンガポールとオランダが入れ替わった。3位のノルウェーと4位のアメリカは前回と順位を変えていない。5位のフィンランドは前回6位、6位のスウェーデンは前回5位で、この2カ国の順位も入れ替わった。
7位は韓国で前回の13位から大きく順位を伸ばした。自動運転化により交通事故死者数を4分の3まで削減するという国家戦略が順位アップを後押しした。前回10位だった日本は1ランクダウンし、11位だった。
■1位のシンガポールと11位の日本、どのような評価?
シンガポールは2年連続1位だったオランダを抑え、初の1位となった。2019年初旬から自動運転化促進のため多くの施策を実施した結果が反映されたためだ。
自動運転車の基準を国として公表したことも評価され、すでに公道の約1割で自動運転車の実証実験が可能になっていることも特筆すべき点だ。
日本は、5G普及の遅れやトンネルの多さなどの課題も反映してか、順位を1つ下げたが、道路交通法改正によって「自動運転レベル3」が解禁されたことや警視庁の道路使用許可基準の改訂などは評価された。
KPMGは「ランキングは1つ落としたものの、昨年に引き続き技術とイノベーションに注力しており、特にAV(※自動運転車)関連の特許取得件数は最も多く、インフラ分野でも引き続き高いスコアを示しています」としている。
■【まとめ】地方レベルでの取り組みがカギ?
KPMGインターナショナルのRichard Threlfall氏は「自動運転車を前進させる上で最も注目すべき開発の多くは都市、地方自治体、または州が率いる地方レベルで行われている」と述べている。つまり、自動運転車を普及させていく上で重要なことは国家政策よりも地方レベルで実施される取り組みだという見解だ。
日本でも地方レベルで積極的な実証実験の取り組みも増えてきており、来年2021年版の順位がトップ10以内に再び入るか注目だ。
【参考】関連記事としては「自動運転への対応度、日本がトップ10入り KPMGがランキング発表」も参照。