あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(本社:東京都渋谷区/社長:金杉恭三)は2020年3月6日までに、車内カメラとAI(人工知能)を活用した「乗客見守りシステム」搭載の自動運転車両の実証実験を、兵庫県神戸市北区で3月13日に実施すると発表した。
実証実験は、名古屋大学が開発したゴルフカート型の自動運転車両に、米シリコンバレーのmpathy.ai社が開発した乗客見守りシステム「Visual Ride Attendant」(VRA)を搭載させて行う。
乗車前にVRAアプリに乗客の氏名や顔写真など情報を登録すると、乗車時にVRAシステムが乗客を識別する。VRAシステムはその後、その乗客のシートベルト着用状況や動作、忘れ物などを認識し、音声で注意喚起を行ってくれる。また到着時間などについては「あと20分で到着します」などと知らせてくれるという。
あいおいニッセイ同和損害保険は、自動運転時代には事故時の対応に加え、通常時でも乗客を見守る必要があると考えているという。こうした実証実験の結果を踏まえ、今後の移動サービスにおける保険会社の新たな役割のあり方について検討を進めていく方針だ。
ちなみに今回の実証実験は、あいおいニッセイ同和損害保険が参画している「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」の活動の一環として行われる。
■あいおい、自動運転やMaaS領域に積極姿勢
あいおいニッセイ同和損害保険はこれまでも自動運転やMaaSなどの領域に積極的に関わり、移動サービス関連の保険商品の開発に力を入れている。
2016年12月には群馬大学と産学連携協定を締結しており、自動運転車両を使った実証実験などを通じて自動運転の社会実装とそれに向けた課題などについての知見を深めている。香川大学とも2019年3月に連携協定を締結し、「MaaS構築・展開および保険のあり方」をテーマに特別研究を行っている。
またオンデマンド交通事業者が運行事故を起こしたときのための保険として、2019年8月に「MaaS保険」の提供を開始している。同年9月にはC2C(個人間取引)カーシェアを展開する事業者向けに、1日自動車保険「ワンデーサポーター」の提供も開始し、注目を集めた。
また、トヨタ自動車と共同で2019年12月に発表した事故対応サービスも3月に提供開始する予定だ。コネクテッドカーで記録された走行データを活用したサービスで、トヨタとレクサスのコネクテッドカー向けに提供されるという。
■モビリティ業界と保険業界は切っても切り離せない
移動には一定のリスクが伴うだけに、モビリティ業界と保険業界は切っても切り離せない関係だ。それだけに保険業界のフットワークも軽くなければ、モビリティイノベーションも加速しない。国内の保険大手各社の動きにも注目しておきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転社会の到来で激変する9つの業界」も参照。
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