ソフトバンクが出資するアメリカの「Bear Robotics」という企業がある。自律走行(自動運転)が可能な配膳ロボットを開発しているスタートアップ企業で、最近注目を集めつつある企業だ。
Bear Robotics社は2017年に米カルフォルニア州レッドウッドシティで設立された。グーグルの元エンジニアであるJohn Ha(ジョン・ハー)氏が最高経営責任者で、レストラン経営を通じて配膳の効率化に興味を持ったようだ。
先進国の飲食店では、人件費の高騰や人材確保の難しさが課題となっている。そんな中で、料理の提供などをロボットが担うようになれば、その分人件費が節約できる。そんな中、Bear Roboticsが開発するロボットは今後ますます注目を集めていきそうだ。
■配膳ロボットが自律走行する仕組みは?
Bear Roboticsが開発する配膳ロボットは、事前に店内のルートやテーブルの位置を記憶させることで、人の指示に応じて厨房から各テーブルまで料理を運んでくれる。テーブルまでのルートを移動中、ロボットに搭載しているセンサーがほかの客や障害物を検知し、衝突を防ぐ。
同社のロボットはサブスク型でレストランに提供され、レストランは月額使用料をBear Robotics側に支払う形となる。料金にはセッティング費用や技術サポート費用も含まれているという。報道などによれば、2020年は量産化に乗り出す。
同社は2020年1月、事業開発段階の「シリーズA」で3200万ドル(約35億円)を調達した。出資者には、ソフトバンクや韓国のロッテグループ、LINE Venturesなどが名を連ねる。
■中国の飲食業界ではロボット導入が加速
自動運転機能を搭載した配膳ロボットは、先進国のレストランマーケットでの活躍が期待されている。無人コンビニがあるように、将来的にはホールの配膳スタッフや会計係が全てロボットに切り替わることも考えられるだろう。
特に中国の飲食業界では配膳ロボットの導入がちらほら目立つようになってきた。例えばロボット開発を手掛ける中国のパンゴリン社は飲食店向けロボットを中国200都市以上で提供しているようだ。
配膳ロボットの市場は益々拡大すると予想される。参入企業も今後増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「風前の灯の「屋台」、AI自動運転時代にブーム再び?!」も参照。