「ロシアのグーグル」とも言われる同国のIT検索最大手「Yandex」(ヤンデックス)は2020年2月17日までに、2019年第4四半期の決算発表会の場において、同社が開発する自動運転車の累計走行距離が200万マイル(約320万キロ)に上ったことを発表した。
去年の10月と比べると2倍、去年の8月と比べると4倍に累計走行距離を増やしたこととなり、同社が自動運転技術の開発に一層力を入れていることをうかがわせる。
決算発表会ではヤンデックスがこれまで自動運転開発に投じた額が累計で3500万ドル(約39億円)に達していることも発表された。去年1年間における研究開発費は2400万ドル(約26億円)で、このうち900万ドル(約10億円)は第4四半期に投じられたものだという。
ただ米テックメディアの「The Information」のまとめた試算によれば、世界で初めて自動運転タクシーを商用化したGoogle系Waymo(ウェイモ)は数千億円規模を既に開発費として投じており、ヤンデックスの開発費は決して多いわけではない。
【参考】関連記事としては「自動運転開発費、トヨタは試算ベースで世界4位 首位はあの企業」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 11, 2020
■ヤンデックス、2017年12月から実証実験
現在、世界各国で自動運転車の走行や実証実験の実施に向けた法整備などが整いつつある。例えば日本でも改正道路交通法が今年4月に施行され、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)が解禁される。
中国やアメリカなどにおいてもこうした動きは顕著だ。特区などを設けて自動運転車の実証実験を実施しやすくしたり、いち早く商用化を前提としたサービスの実証許可を民間企業に対して付与するなどしている。
そんな中、ロシアには出遅れ感があったが、モスクワにおける公道試験ルールなどに関しては既に首相が合意済みで、ヤンデックスに対する後押しも手厚くなりつつある。
ヤンデックスはこうしたロシア政府の動きに先駆けてモスクワで2017年12月から実証実験を始め、アメリカやイスラエルでの実証実験を既にスタートしている。将来的には自動運転タクシーの商用サービス提供も視野に入れてのことだろう。
【参考】関連記事としては「ロシアのYandex、打倒Waymoへ自動運転車100台投入の計画」も参照。