八重山MaaS、国の先行モデル事業に選定 バス・タクシーや船舶も連携

乗り放題、キャッシュレス決済なども導入



沖縄県の石垣市や竹富町といった自治体や企業などで構成される「八重山MaaS事業連携体」が2019年11月から実施する「八重山MaaS」の実証実験が、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定された。参画企業の一つである、TIS株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役会長兼社長:桑野徹)が2019年7月11日までに明らかにした。

八重山MaaSは八重山諸島の船舶やバス・タクシーなどを連携させ、地域住民や観光者などのシームレスな移動を実現する試みだ。事業熟度の高さから地域の交通課題解決を進める「先行モデル事業」として、同様の取り組みのけん引役として国土交通省に選定されたという。


■キャッシュレス決済、乗り放題で観光利便性向上

八重山諸島は年間130万人を越える旅行者が訪れる観光エリアだが、移動手段はレンタカーが5割以上を占め、公共交通手段の利用率が低いという課題があった。また各交通手段のチケット購入についてキャッシュレス化が進まない点でも利便性の低さが課題だった。

八重山MaaSでは離島を渡るための船舶やバス、タクシーといった公共交通を連携させ、スマートフォンの活用でキャッシュレス利用が可能になるという。事前チケット購入や、スマートフォンの画面に表示する電子チケットによる複数の交通手段を連携させたシームレスな移動サービスが利用できる。

出典:TIS社プレスリリース

さらに、滞在期間中は離島船舶とバスが定額で乗り放題利用できるサービスも実施する。ユーザーの利便性が向上するのはもちろん、公共交通利用率が向上するうえ、エリア回遊しやすくなることで経済効果も期待できそうだ。

エリア内の商業施設や観光名所などとも連携し、一つのツールで交通手段や観光の検索・予約・決済がまとめて行えるワンストップサービスに発展させる計画もあるようだ。イベント情報などとも連携し、交通手段の需給コントロールや相互に送客する仕組みづくりも予定されている。


実証実験は2019年11月から2020年2月の間行われる。将来的には観光MaaSに留まらず、地域住民の交通手段としても活用し、沖縄県全域への普及拡大を目指す。


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