自動運転のAIは救急車のピーポー音をどう認識するか LiDARやカメラは「音」は守備範囲外

実用化に向けて浮上した課題



自動運転車は救急車や警察車両をどう認識するのだろう…。そんな疑問を持った人はいないだろうか。


自動運転車は自動運転の「目」とも言われるLiDAR(ライダー)やカメラ、ミリ波レーダーなどによって道路上や歩道の「障害物」を認識し、安全に走行できるように開発されている。最近では、車内にいる人が声で自動運転車のAI(人工知能)に指令を出せるシステムも開発されている。

しかし、車外から聞こえてくる「音」はどうか。救急車の「ピーポー」音や警察車両の「ウーウー」音のほか、それぞれに乗っている救急隊員や警察職員が拡声器で放つ「右に曲がって下さい!」「交差点を横断します!」などという声は、AIは認識してくれるのだろうか?

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ソフトバンクの孫正義社長は2018年8月6日の2018年度4〜6月期決算発表の場で、自動運転において信号機が壊れていても、左右から来る車の動きをAIが察知し、安全に交差点を通過できることが既に実証実験で証明されたことに触れた。しかしそれは視覚的な認識によって可能にする技術で、音は関係してこない。


音はAIにとって実はやっかいものだ。誰に対して発したものなのか音声データだけでは識別しにくく、例えば人が車内で雑談で話した言葉をAIが「指令」ととらえてしまうと、思わぬ事故に結びつきかねない。こうなると誤認識は命に関わってくる。

さてそこで自動運転車はどう救急車や警察車両を認識すれば良いのか。アメリカでは、警察や消防が各自動運転の基幹システムに直接指令を送ればよいのでは、というアイデアもある。その場合は自動運転車が警察や消防車両からの信号は無条件で受け入れるようになることが前提だが…。

自動運転技術はまだまだ発展途上。これからこうした議論もされ、恐らくどこかの技術者が革新的なアイデアの具現化に取り組んでいくだろう。いや、もしかするとどこかのスタートアップ企業が既にその技術を開発済かも!?


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