米グーグル系ウェイモの自動運転車、公道試験中に衝突事故 乗員軽傷

自動走行モード中、過失なしの模様



米グーグル系の自動運転車開発企業Waymo(ウェイモ)社が走行試験をしていた自動運転車両が、米アリゾナ州で現地時間2018年5月4日昼過ぎ、公道で衝突事故に巻き込まれた。報道などによると、事故当時は自動運転モードで低速走行中だったという。


報道によると、事故はアリゾナ州の州都フェニックス郊外のチャンドラー地域で発生した。走行中の車が、交差点に進入してきた車を避けようと急ハンドルを切ったところ車線をはみ出し、対向車線を走行中のウェイモ社の走行試験車両に衝突した。

走行試験中だったミニバン型の自動運転車両は、側面が少し凹んだという。ウェイモの自動運転車の運転席に乗っていた係員は軽傷を負ったものの、この事故による死者は出なかった。

今回の事故においては、ウェイモ社側に過失はないとの見方が強い。一方で、2018年3月にアメリカライドシェア最大手であるウーバーテクノロジーズ社と電気自動車(EV)メーカーである米テスラモーターズの自動運転車が相次いで死亡事故を起こしたことは記憶に新しく、自動運転車が関わる事故に再び注目が集まりそうだ。

ウェイモは公道において2017年から無人の自動運転車の走行試験を実施している。これまでに明らかになっているところによると、すでに延べ500万マイル(約800万キロメートル)を走行しており、ライドシェア大手ウーバーなどと比べると総試験走行距離は倍以上に上ると言われている。


【参考】これまでに明らかになっている主な自動運転車の事故は次の通り。さらに詳しい解説は「自動運転の事故まとめ ウーバーやテスラが起こした死亡事故の事例を解説|自動運転ラボ 」を参照。

  • 2016年2月 アメリカのカリフォルニア州でグーグル社が開発中の自動運転車が路線バスと接触する事故が発生。路肩に置かれた砂袋を検知し、一時停止後よけて前進するため左方向に進路を変えた際、後方から走ってきた路線バスと接触した。
  • 2016年5月 アメリカのフロリダ州のハイウェイを走行していたテスラ社の電気自動車が大型トレーラーに衝突し、運転していたドライバーが死亡。事故当時、部分的な自動運転システムを稼働させて走行していたが、システムからハンドルを握るよう警告がたびたび出されていたものの、実際はほとんどハンドルを握っていなかったことが判明している。
  • 2018年3月 アメリカのアリゾナ州でウーバー社の自動運転車が歩行者をはね死亡させる事故が発生。現地の報道などによると、警察などの捜査機関は歩行者側が急に車道に飛び出してきたとの見方を示している。
  • 2018年3月 アメリカのカリフォルニア州でテスラ社の電気自動車が中央分離帯に衝突する事故が発生し、ドライバーが死亡。事故当時、オートパイロットが作動しており、システムからハンドルを握るよう警告が出されていた。

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