エンタメに観光MaaS…愛知県、自動運転の多様な活用法を実験で模索

実証実験を県内3市町で実施



愛知県は2019年6月12日までに、2019年度に行う自動運転の実証実験について、県内の3市町で実施することを発表した。それぞれの地域で行う実験内容や使用車両などについても詳しい内容を公表している。


全国に先駆けての自動運転実現を目指す愛知県は、2016年度から各地で自動運転の実証実験を行っている。2018年度には次世代通信規格「5G」を活用した実証実験や、複数の自動運転車両を遠隔制御する実証実験などを行った。2019年度は県内の長久手市、南知多町、常滑市の3か所で実証実験を行う。

■長久手市では、エンタメ体験として自動運転を活用

長久手市での実証実験は「愛・地球博記念公園」内の閉鎖空間で行われ、テーマパーク内でのエンタメ体験として自動運転を活用する試みだ。実験車両はヤマハ発動機のゴルフカートを株式会社ティアフォーがカスタムした自動運転車両「Milee(マイリー)」を使用する。

添乗員はなく無人遠隔制御で、AI(人工知能)を活用したオンデマンド配車で運用するという。さらに、車内では専用ゴーグルを使ったVR(仮想現実)による車内コンテンツも配信される予定だ。

■南知多町では、観光型MaaSの一部として自動運転バスを運用

南知多町では、離島の日間賀島の公道上で離島における観光型MaaSの一部として自動運転バスの運用実験を行う。国内メーカーのEV(電気自動車)バスを使用する予定で、運転席に人が載った状態の自動運転レベル3(条件付き運転自動化)で運用される。


■常滑市では、自動運転の最先端技術をテスト

常滑市では、2018年度も実験が行われた中部国際空港島内の公道と閉鎖空間で自動運転の最先端技術をテストする。車両は「Milee」とトヨタ自動車の「レクサスRX」をベースとした自動運転車両を使用し、周辺の信号やほかの車両の位置情報を可視化し、車内と遠隔運転席に表示する技術を実験する。

また愛知県は今年度開催する3つの実証実験すべてでモニター調査を実施するという。


関連記事