日本電気株式会社(本社:東京都港区/代表取締役会長:遠藤信博)=NEC=は2019年5月26日までに、国立研究開発法人「情報通信研究機構(NICT)」と連携して2019年3月に実施した実証実験で、次世代通信規格「5G」を活用した同社のネットワーク技術に自動運転の安全支援効果があることを確認したと発表した。
実験に活用された技術は、5Gの実用化を見据えてNECが開発した「適応ネットワーク制御技術」だ。この技術により、交差点など多数の車が集まる場所でも車両同士で100ミリ秒以内の低遅延通信を行うことができ、リアルタイムに周辺状況を把握することで安全性を高めることができるという。
■自動運転社会の安全性確保は低遅延通信がカギとなる
人間が運転に関与しない高度な自動運転システムでは、車両がサーバーと接続することで周辺車両の位置情報やカメラ画像などを共有し、衝突を回避する仕組みが考えられている。高い安全性を実現するためには通信遅延を減らし、リアルタイムな状況把握が必要となる。
しかし、既存のネットワーク技術ではサーバーに接続する車両の台数が増えると、通信遅延が増えてしまうという課題があった。交差点などの車が多く集まる場所では、通信遅延が発生することは避けられない。情報の伝達が遅れると危険回避行動も遅れてしまうため、衝突事故の危険性は高くなる。
■危険エリアの通信を優先、リアルタイムな状況把握が可能
今回の実験は、神奈川県の情報通信研究施設「横須賀リサーチパーク」内でおこなわれ、通信モジュール、サーバー、基地局の3つの機材を連携させて実施した。
まずは各車両に搭載された通信モジュールがサーバーに車両の位置情報を伝達する。位置情報を受け取ったサーバーは各車両の位置を分析して車両が多く集まる危険エリアの情報を基地局に送信、基地局が危険エリアの通信を優先することで遅延時間を少なくするという仕組みだ。
この仕組みにより、交差点などでも通信遅延を抑制してリアルタイムな状況把握ができるため、衝突事故を回避しやすくなる。自動運転車やコネクテッドカーが普及する、これからの交通社会を安全にするため有効な技術となりそうだ。
【参考】関連記事としては「NEC、自動運転の安全性向上に向け実証実験 適応ネットワーク制御技術で」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 25, 2019