ウェイモCEO「自動運転車は宇宙船よりビッグチャレンジ」 英誌インタビューで

安全確保の難しさについて言及



Waymoのジョン・クラフチックCEO=出典:Flickr / Web Summit (CC BY 2.0)

自動運転タクシーを2018年12月に商用化し、この分野で世界をリードしているGoogle系ウェイモ(Waymo)。そのウェイモのジョン・クラフチックCEO(最高経営責任者)がこのほど、「宇宙船を地球の周回軌道に乗せるより、自動運転車ははるかにビッグチャレンジだ」と述べた。

これは英Financial Timesのインタビューの中での一幕だ。クラフチックCEOはその理由として挙げたものの1つが「安全性」だ。「(自動運転は)何度も何度も繰り返し安全に行われなければならない」と述べている。







ただそんなWaymoは、着実に自動運転技術のサービス化を進めており、現在は自動運転業界をリードする存在だ。今回の発言からは、クラフチックCEOが自動運転タクシー事業にかなりの障壁を感じつつも、取り組みを着実に前進させてきたということがくみ取れる。

■Waymoもひとたび死亡事故を起こせば・・・

冒頭触れた通り、Waymoは2018年12月から米アリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーの商用サービスをスタートさせている。当初は全車にセーフティドライバーを乗せての営業だったが、すでに一部ではセーフティドライバーを乗せずに一般客にサービスを提供している。

2020年には複数のパートナーから32億ドル(約3,300億円)の資金調達を行い、自動運転タクシー事業の拡大と技術力のさらなる向上に突き進んでいる。こうしたことから、Waymoの自動運転タクシー事業は順調なように見せる。

しかし、ひとたび自動運転タクシーが死亡事故を起こせば風向きががらっと変わる可能性もある。過去にはライドシェア大手の米Uberが実証実験中に歩行者と死亡事故を起こし、実証実験の中断を余儀なくされた。Waymoにとってはこうした事故は対岸の火事ではない。

もちろんWaymoも事故を無縁なわけではない。死亡事故は起こしていないが、自動運転タクシーの商用化直前にはオートバイとの軽微な接触事故を起こしている。その後も事故に関する報告書を公表するなど、ウェイモとは言え100%安全を確保できているわけではない。

■安全確保に改めて襟を正す

こうしたことを考慮すると、現在でもクラフチックCEOが安全への意識を高く持っていることに合点がいく。今は事業規模が小さく死亡事故の発生確率も低いが、事業活動を拡大してシステムの管理や点検が行き届かなくなかれば、どうなるかは分からないからだ。

いずれにしても、業界のトップ選手が改めて安全確保のハードルの高さについて発言したことは重い。自動運転システムやサービスの開発に携わる人にとっては、改めて安全確保に向けて襟を正させる発言と言えそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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