イギリスをベースに自動運転ソフトウェアを開発するOxboticaは2021年1月6日までに、事業拡大段階の「シリーズB」ラウンドにおいて、新たに4,700万ドル(約48億円)の資金調達を行ったことを発表した。
Oxboticaは2014年に創業したオックスフォード大学発のスタートアップ企業で、2021年内にロンドンのタクシー会社「アディソン・リー」と組んで自動運転タクシーの商用サービスを開始する計画を、過去に発表している。
報道などによると今回の資金調達により、自動運転の商用ソフトウェアプラットフォームの開発を加速させる方針のようだ。
■商用ソフトウェアプラットフォームの開発加速
Oxboticaは2014年、オックスフォード大学のPaul Newman教授とIngmar Posner教授によって設立された。
両氏は同大学のロボットカープロジェクトに携わっており、GPS(全地球測位システム)や外部マップに頼らない自動運転ソフトウェアの開発を進めていたことで知られており、Oxboticaが現在開発する自動運転システムも、こうした特徴を継承しているとみられる。
報道などによると、今回の資金調達によって開発を加速させる商用ソフトウェアプラットフォームについては、自動車業界や物流業界、空港、鉱業などの分野に供給することを想定しているようだ。
すでに公道や試験場での実証実験や仮想空間でのシミュレーションも行っており、雨や雪、夜間などさまざまな状態でも安全な自動運転が実現できる技術レベルにあるという。
■研究者が創業した自動運転関連企業に注目
大学の教授が中心となって創業した自動運転関連企業は、Oxboticaのほかにも少なくない。
例えば、現在はインテル傘下で自動運転向け画像処理チップを開発するイスラエル企業モービルアイも、ヘブライ大学のアムノン・シャシュア教授が創業者だ。日本で自動運転OS「Autoware」を開発するの創業者も、現在は東京大学准教授の加藤真平氏だ。
自動運転の実現には高度な技術が必要なだけに、こうした研究者が創業した企業の活躍が目立つようになっている。Oxboticaが今後どれだけ注目度を高めていくのか、関心が集まる。
【参考】関連記事としては「中東が生んだ天才技術者…モービルアイ成功劇と自動運転 インテルなぜ買収?」も参照。