ライドシェア世界最大手の米ウーバー・テクノロジーズが自動運転向けの試験用地として、米ペンシルベニア州ピッツバーグ近くの約600エーカー(約242万8000㎡)の土地を購入していたことが明らかになった。ピッツバーグの地元メディア「ピッツバーグ・ビジネス・タイムス」が報じた。
約242万8000㎡といえば東京ドーム(約4万6755㎡)の約50個分に相当する。この広大な敷地を活用し、Google(Waymo)などに商用化で遅れを取っている自動運転タクシー向け技術の実証実験に力を入れるものとみられる。
報道などによると、ウーバー側もこの土地を購入したことを認めており、自動運転車を走行させるためのテストコースを建設するものとみられ、このテストコース向けに約200人を雇用する計画のようだ。
ウーバーは自動運転の技術開発開発子会社として「ウーバー・アドバンスト・テクノロジーズ・グループ」(Uber ATG)をピッツバーグに構えている。今回はまさにこの拠点のお膝元でテストコースの建設に着手し始めた形だ。
■過去の死亡事故でGoogleに「世界初」譲る、巻き返しなるか
Uberは自動運転の実証実験で過去に死亡事故を起こしており、こうしたことが影響してGoogle(Waymo)に自動運転タクシーの商用化で「世界初」の称号を譲った。今回のテストコースを活用することで巻き返しを図りたい考えとみられ、実稼働がいつになるかに注目が集まる。
最近では米GM(ゼネラル・モーターズ)がアメリカで初めて「ハンドルなし」の自動運転実証の認可を受けるという見通しが報道ベースで明らかになっており、Google(Waymo)、GM、テスラ、フォードというように、アメリカの自動運転業界における主導権争いは激しさを増すばかりだ。
ちなみにUberの自動運転事業に関しては2019年4月、ウーバーの筆頭株主であるソフトバンクグループとトヨタ自動車などが10億ドル(約1120億円)の出資を行うことが明らかになっている。
【参考】関連記事としては「ついに「ハンドルなし」のAI自動運転実証へ、米GMが初認可の獲得濃厚」も参照。