テスラのコネクテッド機能まとめ ソフトアップデートでエンタメ機能充実

年間100ドルの有料プランも





出典:テスラプレスリリース

生産体制の構築が順調に進み始め、世界シェア拡大をうかがうEV(電気自動車)大手の米Tesla(テスラ)。EVに特化したビジョンがついに花を咲かせるか注目が集まる。

自動運転開発にも積極的で、2019年には「ロボタクシー構想」を発表するなど、シェアリング分野への参入も見据えているようだ。







CASE(コネクテッド、自動運転、シェア・サービス、電動化)戦略が着々と進む中、コネクテッド分野ではどのようなサービスを展開しているのか。同社のコネクテッド分野の取り組みやサービスに迫ってみた。

■ソフトウェアのアップデートでコネクテッドサービスも順次拡大

EVというIoT分野となじみやすい車両特性を生かしつつ、既存の「クルマ」の枠にとらわれないテスラならではのコネクテッドサービスは、割と早い段階から実現しているようだ。

NTTドコモは2014年6月、2014年夏以降にテスラが日本で納車する「Model S」にM2Mプラットフォームとデータ通信回線を提供する契約を締結したと発表した。この時にはすでにテスラのコネクテッドサービスが展開されていた証左である。

モデルSは大型17インチディスプレイを標準搭載しており、高解像度地図のカーナビゲーションやオンラインミュージックのストリーミングラジオ、車両のリモート診断機能、車載ソフトウェアのアップデートなど、さまざまな車向けの情報通信サービスを提供している。

この大型ディスプレイとソフトウェア更新技術がコネクテッド分野で大きくいかされており、最新のソフトウェア「バージョン10.0」では、エンターテインメント機能などもいっそう充実させたものになっている。

Teslaシアター:見放題のサービスと接続

「Teslaシアター」では、NetflixやYouTube、Hulu、Hulu + Live TVアカウントに接続し、駐車中に車からお気に入りの番組や映画、コンテンツを視聴することができる。中国では、iQiyiやTencent Videoを視聴できるようだ。今後も、グローバルなストリーミングサービスやエンターテイメントサービスをさらに追加していく予定としている。

Smart Summon:目視できる位置から呼び寄せ

「Smart Summon(スマート・サモン)」では、駐車場内などで目視できる位置にあるマイカーを自分のもとへ呼び出すことができる。実用実証段階ではあるものの一種の自動運転レベル4機能で、無人の自動運転システムによって車両が障害物などを避けながら移動する。現状、使用者は車両に対する責任を持ち、常に車両とその周辺を監視する必要がある。

Karaoke(カラオケ):複数の言語をサポート

「Karaoke(カラオケ)」では、日本人にはなじみ深いカラオケを楽しむことができる。新しい「Car-aoke」機能には、複数の言語をサポートする音楽と歌詞の膨大なライブラリが付属しているようだ。

Restaurants & Destinations:興味あるポイントを案内

「Restaurants & Destinations」では、新しい「I’m Feeling Lucky」「I’m Feeling Hungry」ナビゲーション機能により、地元のレストランや車の範囲内の興味あるポイントを案内してくれる。大きなマップビューで強調表示された興味のあるポイントやビジネス、検索結果などをタップし、評価を表示したり電話をかけたり、その場所への移動を開始したりすることができる。

Music & Podcasts:「Spotify Premium」アカウントにアクセス可能

「Music & Podcasts」では、サポートされているすべての市場で「Spotify Premium」アカウントにアクセスできるように、音楽・オーディオプラットフォームを拡張している。中国では、ポッドキャストやオーディオブック向けの「Ximalaya」サービスを開始している。

Tesla Arcade:インフォテインメントシステム用のゲーム機能

「Tesla Arcade」は、車載インフォテインメントシステム用のゲーム機能で、Studio MDHRで人気のランアンドガンアクションゲームである「Tesla Arcade Cuphead」が利用可能という。また、CupheadのTesla Editionでは、USBコントローラーを使用してシングルプレイヤーモードと協力モードをプレイできるという。各種ゲームを充実させているようだ。

このほか、高度なメディア機能を活用するため、すべてのモデル3 Standard Range PlusおよびStandard Range車両でブラウザーアクセスも可能となっており、このアップデートによってSpotifyやTuneIn、Slackerへのストリーミングメディアアクセスができるとしている。

■テスラアプリ:クルマの管理や操作の一部をスマートフォンで

iPhoneやAndroid向けのアプリ「Tesla」をダウンロードすることで、クルマの管理や操作の一部をスマートフォンで行うことができるようになる。

鍵なしでドアロックを解除し、運転をすることが可能な「キーレスドライビング」をはじめ、現在の航続距離や充電状況などを確認できる機能、遠隔操作で冷暖房操作やルーフの開閉などの空調コントロールシステムを操作する機能、駐車した場所の確認や車両の動きを追跡できる「GPSロケーション」、バレーパーキング利用時に車両へのアクセスを制限する「バレーモード」、駐車場で車のライトを点滅したりホーンを鳴らしたりして車両を見つけやすくする機能、ガレージや狭い駐車場など、乗り降りしづらいスペースから車両を呼び出す機能、車両のソフトウェアのアップロード機能などが備わっているようだ。

■プレミアムコネクティビティー:年間100ドルの有料プラン

基本的な地図やナビゲーション、Bluetooth経由の音楽やメディア、Wi-Fi経由でのソフトウェアアップデートが可能な「スタンダードコネクティビティー」に加え、2019年後半に年間100ドルの有料プラン「プレミアムコネクティビティー」サービスを開始するようだ。

プレミアムコネクティビティーでは、オンタイム交通渋滞情報付きのサテライトマップや、車内での音楽やメディアのストリーミング、インターネットブラウザ (モデルSとモデルXに対応)、Wi-Fiと車載インターネット接続を利用したワイヤレスソフトウェアアップデートが追加されるという。

■【まとめ】EV先駆者テスラがコネクテッドサービスの先駆者に

日本のコネクテッド機能と比べると、エンタメ分野が特に充実している印象だ。自動運転機能の更新なども含めOTA(Over the Air/無線通信を経由してデータを送受信すること)を活用し、EVに特化した車両システムをベースとしているため、拡張性や汎用性に優れた面があるのかもしれない。

自動車のEV化は、自動車を電化製品化するイメージを含む。IoTの側面を色濃く持つコネクテッド機能は、こうしたEVとの相性が極めて高く、クルマをパソコンや家電と同じような位置付けで捉え、さまざまなサービスや機能を付加することができるのだ。

テスラの経営は唯我独尊的なイメージが強いが、今後、コネクテッド関連企業との連携を強めるなど協調路線を拡大することで、先進的なコネクテッドサービスを提供する第一人者としてその名をとどろかす可能性もありそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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