韓国の現代自動車と自動車部品企業の米アプティブの合弁会社モーショナル(Motional)は2020年11月2日までに、2021年上半期に米国で自動運転タクシーサービスを開始すると発表した。
報道によれば、同社は米国のライドシェア企業Viaと戦略的提携を結んでおり、モーショナルの自動運転車とViaの車両管理システムを利用して自動運転タクシーサービスを提供するとしている。
■現代自動車とアプティブが40億ドルで設立
自動運転社会の到来を前に、現在、各自動車会社がしのぎを削っている。もちろん、現代自動車も例外ではない。モーショナルは、2020年3月に現代自動車グループとアプティブが総額40億ドル(約4,200億円)を投じて設立した自動運転開発の会社で、同年8月に社名とロゴを発表している。
モーショナルは本社を米ボストンに置き、その他ピッツバーグ、ラスベガス、サンタモニカ、シンガポール、ソウルに拠点をおいて活動を拡大させている。一定の条件のもとで全ての運転操作が完全自動化される「レベル4」の自動運転技術の開発を推進することがミッションとなっている。
ちなみにアプティブの自動運転事業部はモーショナルに移管される形となったが、移管前から自動運転タクシーに関する取り組みを進めていたことで知られる。
2016年にはシンガポールで世界初の自動運転タクシーの試験走行を行っており、2018年からは米ライドシェア大手のLyftと提携して米ラスベガスで自動運転タクシーの試験運行をしている。
■一般向けのサービスが次々と本格化
今回の発表においては、Via社と提携した自動運転タクシーサービスは2021年上半期に米国内でサービスを開始するとされているが、具体的な場所に関しては明らかになっていない。
ちなみに自動運転タクシーの分野では、すでに米ウェイモが米アリゾナ州フェニックスにおいてセーフティドライバーすら置かない自動運転タクシーサービスを発表したり、米Voyageが米カリフォルニア州やフロリダ州の高齢者コミュニティにおいて送迎サービスを進めたりなど、一般向けのサービスが次々と本格化している。
中国においても自動運転タクシーの実証実験や実用化に向けた動きが加速しており、日本を含め、こうした動きは世界規模でさらに広がっていくことは間違い無さそうだ。
【参考】関連記事としては「レベル4技術、自動運転タクシー会社に提供へ 現代とAptivの合弁Motional」も参照。