米インテル傘下のイスラエル企業モービルアイは2019年12月3日、東京都内で事業説明会を開き、フォルクスワーゲン(VW)などとの合弁企業で進めている自動運転タクシー(ロボットタクシー)の準備が順調であることに触れ、2022年にもイスラエル国内でサービスを開始する見込みだと明らかにした。
同社の事業説明会では、インテルが2030年までに自動運転タクシーの市場規模が少なくとも1600億ドル(約17兆円)になると見積もっていることも明らかにした。こうした市場の有望性を踏まえ、自動運転タクシー事業の本格展開を計画している形だ。
2020年にはフランスの首都パリで自動運転タクシーの実証実験をスタートさせる見込みで、イスラエルでのサービス展開を踏まえ、全世界に同サービスを拡大していく考えだという。
■2020年の第1四半期までにEUの地図データ完成
こうした自動運転タクシーの事業の要となるのが、無人運転に必要となる技術の開発や地図データの作製だ。事業説明会ではこうした地図データの作製についても触れられた。
具体的には、モービルアイはBMWやVWなどと協力しながら世界規模で地図データの自動作製を進めており、2020年の第1四半期までにはまず欧州連合(EU)における地図データを完全なものにし、2020年末までにアメリカの大部分の地図データを完成させるという。
ちなみに日本においては高速道路の高精度地図を既に作製済みだとしている。その総距離については2万5000キロだとしている。
■自動運転タクシー事業の財源、ADAS事業で確保
モービルアイとインテルにとっては、こうした自動運転タクシー事業に関する財源を確保するためには、現在のADAS(先進運転支援システム)向け事業の売上増が欠かせない。ただその点は両社の計画以上の売上実績が上がっているという。
自動運転タクシーについてはグーグルからスピンアウトしたウェイモ(Waymo)が既に商用サービスを開始し、現在はモービルアイを含むさまざまな企業がウェイモの後を追うように、サービスローンチに向けて開発に力を入れている。
モービルアイとインテルもその一社で、将来の自動運転タクシーの主力企業に名を連ねることはほぼ間違いないと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「モービルアイ(mobileye)の自動運転戦略 インテル傘下、製品や技術は?」も参照。