MaaSの読み方は?

マース?マーズ?エムエーエーエス?





モビリティ分野で目にする機会が日に日に多くなっている「MaaS」。同分野に関わる方にとってはおなじみとなった言葉で、何の疑問もなく使用していることだろう。しかし、そこに盲点がある。「読み方」だ。







多くの人は一般的な呼称どおりの読み方をしているが、一部で異なる読み方をしている人も存在する。今後、開発サイド以外に広く浸透していく言葉であるため、読み方についても早期統一を図るべきである。

そこで今回は、MaaSの読み方に着目し、考察してみた。

■MaaSの正しい読み方

MaaSは「Mobility as a Service」の頭文字をとったいわゆる頭字語で、「マース」と読むのが一般的だ。合成語の頭文字をつなげた「頭字語」ゆえ読み方が統一されづらいが、国土交通省も昨今「マース」と表記しており、これに統一する形が望ましいものと思われる。

なお、MaaSという言葉の生みの親は、フィンランドでプラットフォームサービス「Whim」を手掛ける「MaaS Global(マースグローバル)」社と言われている。

【参考】Whimについては「MaaSアプリ「Whim」とは? 仕組みやサービス内容を紹介」も参照。

■MaaSの誤った読み方

一部でMaaSを「マーズ」と表記しているサイトも見受けられる。また、読み方がわからず「エムエーエーエス」と発音している方も多からずいるだろう。

これらが必ずしも「誤り」というわけではないが、マーズと聞くと、火星(Mars)やウイルス性の感染症(MERS)と混同される可能性がある。さすがのMaaSもまだ火星に行くところまでは想定しておらず、ましてや感染症でもない。

外国語に由来する単語(造語)の浸透には時間がかかるケースが多く、時として混乱を招く。一例を挙げると、台湾のパソコンメーカーのASUSは、日本市場参入当初は「アスース」を正式名称とし、アスース・ジャパン株式会社で法人登記していたが、2012年にASUSの呼称を「エイスース」に統一し、法人登記名もASUS JAPAN株式会社に変更している。

日本国内では「アスース」「エーサス」「アサス」、英語圏では「エイスス」に近い発音で読まれることが多かったが、ASUSは当初「どんな読み方でもASUSに親しんでくれればいい」として特に対応していなかったため、後々の混乱を招いたようだ。

話を戻すと、MaaSは、生みの親であるフィンランドの「MaaS Global」社をはじめ、国内でも「MaaS Tech Japan」「小田急MaaS」「MaaS Japan(仮称)」「観光型MaaS」「Autono-MaaS」など、法人名やプロジェクト名、新たな造語が次々と誕生している。

MaaSという言葉の使用者は、現時点では開発サイドが大半だが、サービスを受ける利用者にも徐々に浸透し始めている。呼称が乱立しないよう早い段階で統一し、メジャーな言葉に育てていくことが肝要だろう。

■MaaSって何?

国土交通省の定義によると、MaaSは「出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念」とされている。

電車やバス、タクシー、カーシェア、サイクルシェアなど、さまざまな移動手段が統合され、一つのサービスとして提供されるイメージだ。時刻表などの情報の統合、予約・決済の統合、料金体系の統合など、統合具合によってレベル分けを図る考え方も誕生している。

■【まとめ】読み方の次はMaaSレベルの浸透を

MaaSの読み方を「マース」に統一することに対する違和感や異論はそれほどないものと思う。むしろ気になるのは、MaaSの使い方に対する温度差ではないだろうか。

「さまざまな移動サービスを統合・一元化する」のが本来のMaaSだが、単一の移動サービス事業者が自社サービスをプラットフォーム化する行為や、新たな移動手段の開発などもMaaSに関する取り組みに位置付けられる場合が多い。

ただ、こういった一つひとつの積み重ねがあるからこそ、将来的なサービスの拡充をはじめ統合・一元化に結びつくのだ。自動運転分野でも、総合的に自動運転技術を開発している企業だけではなく、単一のセンサー開発企業による高性能センサーの開発が将来の自動運転の実現に結びついているのと同じだ。

呼称・読み方の統一の次は、MaaSレベルの浸透を図るなど「どういった行為がMaaSに結びついているのか」を明確にする必要があるのかもしれない。

【参考】MaaSレベルについては「MaaSレベルとは? 0〜4の5段階に分類」も参照。







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