中国、自動運転車の普及爆速化!?2025年には「販売の半数」、注目の工程表

「サービスとしての自動運転」も取り組み盛んに



中国メディアの報道によると、中国工業情報化省などが開催したイベントで、2025年には中国で販売する自動車の半数を自動運転車にする、という工程表が示された。


イベントの開催日は2020年11月11日、工程表を示したのはコネクテッドカーの専門家だ。今回の工程表は専門家が示したものだが、中国政府の政策に反映されるものと予想されている。

自動運転の段階は0〜5までの6つのレベルに区別され、最近は自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の市場化が始まり、さらにもう1段階上のレベル4(高度運転自動化)の研究・実証実験も加速している。今回の中国メディアの報道ではどのレベルの話かは触れられていないが、仮にレベル4であれば「2025年に半数」はかなりインパクトがある話だ。

【参考】関連記事としては「自動運転レベル4、ゼロから分かる基礎知識&進捗まとめ」も参照。

■「サービスとしての自動運転」も急速に普及していく!?

自動運転の普及を考える際には、「市販車としての自動運転」と「サービスとしての自動運転」を考える必要がある。今回の工程表は前者の話だが、サービスとしての自動運転も中国で急速に普及していくことが予想される。すでにサービス実証が盛んに行われているからだ。

中国のインターネット大手の百度(バイドゥ)は自動運転レベル4(高度運転自動化)のロボタクシーの公道実証を本格化し、2020年4月からは一般市民に対し、無料トライラルとしてセーフティードライバー同乗のもとでサービスを提供している。


配車サービス最大手のDidi Chuxing(滴滴出行:ディディチューシン)は中国国内のほか、アメリカでの実証実験の実施にも力を入れている。2018年に米カリフォルニア州で自動運転車の公道試験走行の許可を取得している。

スタートアップの取り組みにも注目だ。2020年7月、自動運転レベル4の技術開発に特化するWeRide(文遠知行)が、完全無人での自動運転公道実証を中国国内でスタートさせた。次世代通信規格「5G」を活用することで緊急時の遠隔操縦を可能にし、運転席にセーフティドライバーを乗せずに運行している。

■欧米そして日本も負けじとスピードアップ!?

このように中国では、「市販車としての自動運転」と「サービスとしての自動運転」の両方がすさまじいスピードで進んでいく可能性がある。自動運転領域は国と国の競争でもある。欧米そして日本も負けじとギアをあげていけるか、注目される。

【参考】関連記事としては「中国×自動運転、最新動向まとめ ユニコーンも表舞台へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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