2020年の幕が開けた。各自動車メーカーのトップや幹部の発言などを分析すると、今年新たにAI自動運転タクシーの実用化を目指しているのは、少なくともアメリカ勢のGM(ゼネラル・モーターズ)とテスラとウーバー、そして日本勢のZMPだ。
AI自動運転タクシーについてはGoogle(Waymo)のみが商用サービスの展開に成功しており、二番手争いに注目が集まる。サービスの展開について明言していないトヨタの動向も気になるところだ。
■「2020年」を目標に掲げているのは「GM」「Tesla」「Uber」「ZMP」
テスラのイーロン・マスク(CEO)は去年、100万台のロボットタクシー(自動運転タクシー)を2020年に公道デビューさせる計画を明らかにした。そして2年以内に「ハンドルなし」の車両の製造を開始することにも触れている。
GMは自動運転開発子会社クルーズ(Cruise)を通じて自動運転車両を開発している。自動運転タクシーの商用サービスは去年の開始予定を延期したが、報道などによると2020年の早期にサンフランシスコでサービスを開始することが見込まれている。
ウーバーも去年、2020年にセーフティドライバーなしの自動運転サービスをローンチさせる計画を明らかにしている。過去に自動運転の実証中に死亡事故を起こしたこともありGoogle(Waymo)に遅れを取っていたが、2020年は巻き返しができるか注目だ。
日本勢では、自動運転ベンチャーのZMPと日の丸交通による取り組みにも関心が集まる。東京都心での営業実証を既に実施しており、自動運転タクシーの実用化目標は「2020年」と定めている。
■2020年代は自動運転タクシーの登場が続々
アメリカ勢ではそのほか、フォードが自動運転タクシーの商用サービスの開始時期として「2021年」と定めていることが知られている。UberのライバルであるLyftの動向も気になるところだ。スタートアップではZooxなどにも注目しておきたい。
ドイツ勢のVW(フォルクス・ワーゲン)はインテル傘下モービルアイとともに2022年にイスラエルで提供を開始する計画だ。韓国勢ではヒュンダイが米アプティブ(旧称:デルファイ )とジョイントベンチャーを立ち上げ、2022年のローンチを目指している。ロシア勢ではYandexに注目だ。
日本勢ではZMPのほか、日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)がタッグを組んでサービス開発に取り組んでいる「Easy Ride(イージーライド)」に注目が集まる。これまで既に実証実験に取り組んでおり、サービス提供の本格的な開始時期は「2020年代早期」と定めている。
【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転車の実現はいつから?世界・日本の主要メーカーの展望に迫る|自動運転ラボ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)