【資料解説】自動運転、「協調領域」の取組状況や今後の方針

自動走行ビジネス検討会の報告書概要から





国の自動走行ビジネス検討会がこのほど公表した「『自動走行の実現に向けた取組報告と方針』報告書概要Version4.0」に関し、自動運転サービスの実現・普及時期については既に自動運転ラボで取り上げた。

この記事では報告書における「協調領域等の取組」にフォーカスし、解説していく。自動運転の実現に向けて企業単独での開発や実施が厳しい10分野が「協調領域」と分類されており、今後の取り組みなどについて多めに説明されている分野をピックアップしていこう。







▼自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組報告と方針」報告書概要Version4.0
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jido_soko/pdf/20200512_02.pdf

出典:経済産業省
■協調領域「地図」について

自車位置推定や認識性能向上のための高精度三次元地図は高速道路においては整備が完了しており、一般道でも同様の整備を進め、2021年までには東京臨海部地域以外へも拡大していく。

ちなみに、高精度三次元地図に交通規制や事故、渋滞、車両位置情報などの動的情報を紐付けた地図データのことをダイナミックマップと呼び、ベースとなる高精度三次元地図は「協調領域」だが、付加データについては「競争領域」と位置付けられている。

■協調領域「通信インフラ」について

高度な自動運転社会の実現には車自体の技術だけでなく、通信インフラとの連携により安全性を向上させることが必須だ。計画によれば、2020年中に東京の特定地区における通信インフラ整備を完了させるという。

ITS専用周波数を利用した路車間や車車間通信だけでなく、セルラー網を経由しない直接通信技術での歩車間通信の実験にも力を入れていく。

■協調領域「サイバーセキュリティ」について

安全確保のための開発効率を向上させるため、ルール(国際基準・標準)戦略や技術開発・ガイドライン策定、運用面での体制構築、産学官連携での人材育成の4つの柱で取り組む。

ルール戦略では自動車工業会が国際基準WP29で、自動車技術会が国際標準ISO/SAE21434で主体となり、提案を行っている。

■協調領域「ソフトウェア人材」について

自動運転業界のソフトウェア人材の不足を解消するため、既に人材の発掘・確保・育成に向けた取り組みが進んでいる。特にサイバーセキュリティにおいての人材不足は深刻で、業界協調での取り組みが必至だと考えられている。

既に2017年度に必要な人材像やスキルの整理を行い、2018年にはスキル標準を策定している。2020年度には第4次産業革命スキル習得講座認定制度への認定を目指す。

■【まとめ】協調領域の進捗にも注目

資料では、ほかの協調分野である「認識技術」「判断技術」「人間工学」「セーフティ」「社会受容性」「安全性評価」についての説明もある。詳しくは以下の資料リンクから確認できる。各社の開発状況だけではなく、こうした協調領域の進捗にも注目していきたい。

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記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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