
米GM(ゼネラルモーターズ)が自動運転技術開発をついに再開した。カリフォルニア州とミシガン州で、次世代自動運転車の公道試験を2026年3月から開始した。
GMはかつて、子会社のCruise(クルーズ)を通じて自動運転車の開発を進めてきたものの、度重なる事故とそれに伴うライセンスの剥奪により、最終的に事業停止を余儀なくされたという経緯がある。
今回の公道試験は、同社にとってトラウマとも言える自動運転開発への「再挑戦」になる。
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■テストはセーフティドライバーあり
GMはこれまで、米国34州において自動運転車の数百万マイルに及ぶ実走行データを取得し、それをシミュレーション環境で検証するという取り組みを行ってきた。その新技術を活用し、次に行うのが今回の公道での走行テストだ。最初は高速道路などの限定された状況でテストするという。
各車両には訓練を受けたセーフティドライバーが同乗、トラブルなどが起こった際にはすぐに運転操作を引き継げるようにしている。近いうちに200台以上の開発車両が、カリフォルニア州とミシガン州の公道に投入される予定だ。GMは実際の交通環境での走行テストを通じて自動運転システムの改良を行っていく計画だ。
なおGMは、2028年に自動運転機能「eyes-off(アイズオフ)」を導入する予定だ。特定の条件下においてドライバーが常時監視無しで走行可能になる機能で、まずは高速道路で実装される。最初はキャデラックのEV(電気自動車)「エスカレードIQ」に提供されるようだ。
■かつてはWaymoと業界先導
世界で初めて自動運転タクシーを商用化したのは米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)だが、2番目となったのはCruiseであった。2022年にカリフォルニア州サンフランシスコで自動運転タクシーサービスを開始している。その後展開エリアを拡大し、Cruiseの事業は順調に進んでいるように見えた。しかし2023年10月にサンフランシスコで人身事故を起こしたことにより、状況は一変する。
カリフォルニア州道路管理局(DMV)と同州公共事業委員会(CPUC)により、州内における営業停止と無人自動運転走行許可の停止処分を受けることになった。Cruiseはソフトウェアのリコールを実施し、他州での自動運転も停止した上、当時のCEO(最高経営責任者)であるカイル・ヴォグト氏が辞任する事態にまで発展した。
同社は方針を改め、セーフティドライバー付きの実証を再開した。2024年8月には配車サービス大手Uber Technologiesと提携し、2025年に自動運転タクシーを再開する計画を発表した。しかし親会社のGMは、2024年12月に自動運転タクシー事業からの撤退を発表した。傘下であるCruiseの自動運転タクシー事業には今後出資せず、GMとCruiseの技術チームを統合し、個人向けの自動運転車の開発を加速していくことを決めた。
■【まとめ】一般向け車両開発は順調に進む?
GMは今後も自動運転事業に関しては個人向け車両に特化し、ロボタクシーの開発には手を出さないのかもしれない。Cruiseのロボタクシー事業撤退からしばらく停滞していた印象の自動運転開発だが、条件付きの自動運転機能については水面下でデータ収集やシミュレーションを重ねていたようだ。
アイズオフの自動運転レベルは「3」相当になると思われる。条件付き自動運転の代表格である米EV大手テスラによる「FSD(Full Self-Driving)」はレベル2相当の機能だ。GMはADAS(先進運転支援システム)や自動運転分野で、Cruiseでのトラウマを克服し勝ち組になれるのだろうか。今後に注目だ。
【参考】関連記事としては「日本じゃ無理?GMの自動運転タクシー部門「1,000人を即解雇」」も参照。













