年収は十分?自動運転向けシート開発、トヨタ系「500万円〜」を提示

気になる求人4選【2025年4月版】



日本でも自動運転タクシーの実証実験が各地で行われるようになってきた。実用化はまだ先だが、自動運転時代がいよいよ現実のものとなることを感じさせる。それに伴い、自動運転関連の求人も多様化・細分化している状況にある。新年度が始まったが、各社では経験者採用を活発に行っているようだ。

トヨタグループの企業では自動運転時代の到来を見据え、自動車のシート開発担当者を募集するなど、これまであまりなかったようなユニークな求人も出てきている。

自動運転ラボ恒例の「気になる求人」記事の2025年4月版では、各社が公開している案件から、特に注目したい自動運転&MaaS案件をピックアップして紹介していく。

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■トヨタ紡織:リラックス&セーフティシート先行開発

自動車関連部品の製造・販売を手掛けるトヨタ紡織では、自動運転時代を見据えてリラックス&セーフティシートの先行開発を担う人材を募集している。具体的には、衝突安全に関わる乗員保護、乗り心地、快適を満足する要件、デバイスを搭載した「シートASSY(アセンブリ)」の開発を行う。トヨタグループ各社やトヨタ紡織の実験部・CAE解析などと連携を取りながら業務を行っていくようだ。

募集要項には、このポジションの魅力として「自動車業界は変革の時を迎えていますが、その中でもシートは人の体を直接支え、安全/安心を届けるお客様が必ず使う重要な部品です。これから一緒に開発、設計したシートが自動車になり世の中を走行し、お客様の喜びを実感できる仕事です」との記載がある。

応募に際しては、衝突安全の乗員保護知識、拘束装置の知識、エアバッグの開発設計経験、シートベルトの開発設計経験のいずれかが必須だ。勤務地は愛知県豊田市の猿投工場で、予定年収は500〜800万円となっている。

https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchDetail/j_jid__3012501616/

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■ソニー・ホンダモビリティ:自動運転・運転支援システム開発など

ソニーグループとホンダの合弁会社であるソニー・ホンダモビリティは、多数の経験者採用を行っている。自動運転・運転支援システム開発においては、機械学習モデル・ソフトウエア開発、組み込みソフトウエア設計・実装、研究開発環境の構築、フリートデータ・シャドーモードによる大規模学習システム、シミュレーション・機械学習開発プラットフォーム構築などのポジションを募集中だ。

機械学習モデル・ソフトウエア開発では、知能化された自動運転・運転支援システムを実現する機械学習による認識・制御技術開発を担当する。具体的には、他部門や開発パートナー、研究機関などと国内外問わず協業し、機械学習、ディープラーニング等のAI技術を活用した認識技術開発のほか、機械学習、ディープラーニングを活用した他車予測・行動計画・軌道生成のAIモデルおよびソフトウエアの開発、AI認識アルゴリズムのソフトウエア設計・実装などを行うようだ。

この職種では、3年以上の機械学習を用いた認識技術・制御技術の研究・開発経験が必要になる。ビジネスレベルの英語力も必須だ。モビリティ業界の経験は不問とされている。ただし自動運転や安全運転支援システムに関する知識・開発経験、組み込みコード実装の経験などがあると、なお歓迎される。勤務地は東京都港区、給与は経験や能力を考慮の上、当社規定により決定となっている。

https://hrmos.co/pages/sony-honda-mobility/jobs?category=1938127068659658754

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■ティアフォー:ソフトウェアエンジニア(自動運転)

自動運転OS開発などを手掛けるティアフォーは、自動運転オープンソース「Autoware(オートウェア)」を活用した自動運転システム・サービス関連業務を担う人材を募集中だ。

Autowareやその周辺ツール(シミュレーションツールや運行管理システムなど)を顧客要件に応じてカスタマイズし、サービスとして提供できるレベルにするための業務になるという。顧客要望に合わせたセンサ・技術選定からパラメタチューニングや自動運転技術開発、自動運転上で発生した課題の解析・修正など幅広い業務に従事するようだ。

必須になるのが、Linux上でのソフトウェア開発経験とC++、Python等を用いたプログラミング経験だ。また自動運転システムやロボットの開発経験や、ロボコン・つくばチャレンジなどへの参加経験があると歓迎される。勤務地は東京都品川区、年収は600〜1,500万円となっている。

https://jp.indeed.com/viewjob?jk=f9425ba8e6b10dac&tk=1ipjn2knki0tj801

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■JR西日本:システムアーキテクト/関西MaaS基盤構築の大規模PJTに参画

JR西日本が募集しているポジションは、デジタルソリューション本部内の関西MaaSの基盤システムにおけるシステムアーキテクトとして、多数の基盤とのコラボレーションを前提としたシステム企画の立案からシステムの要件定義、技術選定、ベンダーのマネジメントなどの業務を担う。

具体的には、MaaS基盤全体のシステム企画立案と開発計画の策定やウォーターフォール開発における開発全般のほか、複数の外部ベンダーに対する開発ディレクションやマネジメント、鉄道7社で形成する関西MaaS協議会、外部アライアンス先、社内の事業部門との協議・折衝などを行っていくようだ。

応募には大規模な開発プロジェクトでの上流経験、システム開発経験に基づいたベンダー管理経験、クラウドサービスを活用した開発プロジェクトの参画経験のいずれかが必須となる。勤務地は大阪府大阪市の本社だが、基本的にはリモートワークも可能だという。予定年収は600~850万円。

https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchDetail/j_jid__3012541566/

■未来を担う技術・自動運転に携わるなら今がチャンスだ!

どの職種でも相応の知識・経験は必要であるものの、自動運転業界の経験は必須としていない。自動運転は長い開発期間を経て、やっと実用化へ進もうとしている段階だ。自身が持っている開発経験などを武器に自動運転業界に乗り込むには、今が絶好の機会と言えるだろう。

【参考】関連記事としては「自動運転AIを「時給2,000円〜」でテストする求人登場」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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