自動運転AIを「時給2,000円〜」でテストする求人登場

自動運転&MaaSの気になる求人【2025/3】



日本でも開発が進む自動運転技術。全国で自動運転バスの実用化が前進しつつあり、ロボタクシーの展開計画も各社が発表し始めている。そんな中、自動運転AIのテストドライブ・評価の支援に携わることになる求人も登場した。

自動運転ラボ恒例の「気になる求人」記事の2025年3月版では、各社が公開している案件から、特に注目したい自動運転&MaaS案件をピックアップして紹介していく。

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■Turing:データ収集ドライバー・テストドライバー

完全自動運転実現に向け、自動運転AI開発を進めているTuring(チューリング)は、データ収集ドライバー・テストドライバーのアルバイト・パートを募集している。開発を進める中で、走行データの質が非常に重要な課題となっており、自社で走行データ収集チームを立ち上げることになったという。

求人案件では「いずれは自動運転AIのテストドライブ・評価の支援をしていただきます」と説明がある。まず、決められた走行ルートに従って走行し、走行完了後に走行時の状況などの報告を行うという業務になるようだ。週3〜5勤務前提でシフト制勤務、1日の実働時間は8時間となっている。

普通自動車免許を持っていて普段運転を行っており、安全面・走行操作面で品質の高い運転ができること、適切かつ明快なコミュニケーションができることが必須となる。なおテストドライバー経験や警察官・タクシードライバーなど模範的な運転の経験、丁寧な操舵と極めてスムーズな運転が可能であれば優遇される。勤務地は東京都大田区、時給は2,000〜3,500円となっている。

https://jp.indeed.com/viewjob?jk=176fbf5ddbf78fcf

■自動車技術総合機構:新型自動車の認証審査官

自動車技術総合機構は国内唯一の国交省指定の認定審査機関だ。国土交通省では、自動運行装置などに組み込まれたプログラムの改変による改造などに係る許可制度を創設し、許可に関する事務のうち技術的な審査を自動車技術総合機構に行わせることとしている。

現在募集しているのは新型自動車の認証審査官で、日本国内での販売が予定されている新型車が国の定める安全・環境基準に適合しているか審査を行う。経験やスキルを考慮し、「ブレーキ・騒音・自動運転」「燃費・電費・排出ガス」「灯火・一般安全」「衝突安全・歩行者保護」「サイバーセキュリティ」のいずれかのチームに配属され、各種研修やOJTなどを行いながら、審査官として必要なスキルを身につけていくようだ。

応募にあたり、自動運転などの先進安全技術・電気自動車の電力消費や電池安全・その他自動車全般の設計、開発、評価のほか、情報セキュリティ関連のシステム設計・構築、規程類の整備・監査といった経験が求められる。勤務地は東京都調布市だが、将来的に埼玉県熊谷市や愛知県名古屋市、スイス・ジュネーブに一定期間異動になる可能性もある。基本給は高専卒で月給19万8,240円以上、大学院修士課程修了で月給24万1,280円以上となっている。

https://jp.indeed.com/viewjob?jk=7607066f9a046203

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■日本交通:ライドシェアドライバー

タクシーアプリ「GO」を運営するGO株式会社が提供するドライバー向けの転職サービス「GOジョブ」では、日本交通によるライドシェアドライバー求人が掲載されている。アルバイト・パートでの採用で、GOを搭載したライドシェアドライバーとして勤務する。

出勤は不要で、自宅から営業エリアに移動して業務を開始する。7時~翌午前4時の間で1日4時間からの勤務が可能で、スキマ時間の副業に適している。

東京都では品川営業所、三鷹営業所、赤羽営業所、新木場営業所、千住営業所などで募集しており、給与は「時給1,400円+手当400円+特別手当200円+歩合」となっている。研修時の時給は1,200円だ。

https://gojob.go.goinc.jp/jobs/QEBYE9ML

■三井住友カード:新規事業開発/サービス企画【MaaS×SMBCグループ基盤】

三井住友カードでは、同社が提供するタッチ決済の交通乗車サービス「stera transit」を主軸として、交通領域のキャッシュレスサービスを展開している。2024年8月には、MaaSのスマートフォンアプリを開発することを発表した。

今回の募集は、バス利用者向けにMaaSに関連する新たなサービスを企画するポジションとなる。具体的にはバス利用者向けのMaaS関連サービスの企画・立案のほか、交通事業者や自治体との渉外対応を担当する。

応募にはバス利用者向けの企画業務やサービス立上げ経験またはMaaSに関連した事業企画やサービス企画の経験のいずれかが必須で、バス事業会社での経験や運賃のキャッシュレス化など決済関連のビジネス経験があると優遇される。勤務地は東京都江東区で、予定年収は700〜1,300万円。

https://www.pasonacareer.jp/job/81153080/

■エンジニア以外の職種も多数

自動運転の実用化に向けての取り組みやMaaSの実装が進むにつれ、多様な職種の求人が増えてきている。また最近はテストドライバーの募集が目立つ。

開発系の技術職以外の求人や、他業種での経験を歓迎する求人も多く、自動運転・MaaS分野への挑戦も以前よりハードルが低くなっているように思える。「自分には無理だ」と思っていても、この分野に携われる仕事はあるかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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