トヨタもホンダも全敗。中国の自動運転企業、次は欧州でレベル4許可

Pony.aiが発表、WeRideやBaiduも海外進出



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

2024年まで5年連続で世界販売台数1位を獲得しているトヨタ。販売台数、技術力ともに世界トップの自動車メーカーだと言えるだろう。しかし自動運転車については、トヨタは技術開発は行っているものの、まだ実用化には至っていない。もたもたしている状況だ。

そんな中、中国の自動運転企業Pony.aiが、欧州のルクセンブルクでレベル4自動運転タクシー(ロボタクシー)の試験許可を得たことをこのほど発表した。同社はすでに米国・中国・韓国でも自動運転車の試験許可を取得しており、ルクセンブルクが4カ国目になる。


ルクセンブルクには欧州における拠点も設立しており、今後欧州市場での事業拡大を加速していくようだ。

欧州のルクセンブルクで自動運転レベル4の許可を得たというスピードの面では、トヨタもホンダも中国企業に負けてしまった。ホンダはレベル3の市販車の開発で世界的な存在感があるものの、厳しい状況と言える。

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■Pony.aiの欧州拠点はルクセンブルクに

出典:Pony.aiプレスリリース

Pony.aiは、ルクセンブルクの運輸・公共事業省から自動運転レベル4のロボタクシーの試験許可を取得した。ロボタクシーの走行試験は、同国の大手モビリティソリューションプロバイダーであるEmile Weberとの提携のもとで実施される。

2024年に入り、Pony.aiはルクセンブルクとの関係を構築することに尽力してきた。2024年3月に、ルクセンブルク政府と自動運転モビリティ推進に向けた覚書(MoU)を締結した。


2024年9月には、ルクセンブルクに欧州初の専用研究・試験拠点「Pony.ai Europe」を設立した。ルクセンブルクはイノベーション拠点としての地位を確立しており、Pony.aiが研究開発および事業運営を推進するための理想的な環境となっている。同社はこの拠点から最先端の自動運転モビリティソリューションの欧州展開を進めていく計画だ。

また翌10月にはEmile Weberとともに、ルクセンブルクにおける自動運転モビリティの推進に関する覚書を締結した。

そしてこのほど、レベル4自動運転車の走行許可を得た。これによりPony.aiは、ルクセンブルクで自動運転車両の試験許可を取得した最初の企業となった。

■相次ぐ中国企業の海外進出


2025年に入り、中国の自動運転開発企業の多国展開が活発になっている。

レベル4に特化して自動運転技術開発を行っているWeRide(文遠知行)は、2025年3月にフランスで自動運転レベル4の走行許可を取得した。同社はすでに中国・米国・UAE・シンガポールでも許可を取得済みで、世界5カ国で自動運転レベル4の許可を取得した初の企業となった。

翌4月には、配車サービス大手の米Uberとタッグを組みドバイでロボタクシーサービスを展開することが発表された。

中国のIT大手Baidu(百度)も、ドバイでロボタクシーサービス「Apollo Go」を開始する。ドバイの道路交通局(RTA)と戦略的パートナーシップ協定を締結により実現したもので、2025年末までにドバイ都市部に100台の完全自動運転車を配備し、ロボタクシーサービスを行う。さらに2028年までに車両数を1,000台以上に拡大する計画もあるという。

■Googleの自動運転開発の行方は?

世界で初めてロボタクシーを商用化したのは、米Google系の自動運転開発企業Waymoだ。しかしWaymoは今のところ米国内でサービスを拡大するにとどまっている。トヨタは自動運転などの実証都市「Woven City」が今年秋に始動予定だ。

今後、Waymoやトヨタには大きな動きがあるのか。トランプ政権後の米国の動きとともに、中国企業のしたたかな海外展開にも引き続き注目したい。

▼PONY AI Inc. Receives Luxembourg’s Autonomous Vehicle of Robotaxi Testing Permit, Establishes Its First European Hub for Research and Testing
https://www.globenewswire.com/news-release/2025/04/03/3054989/0/en/PONY-AI-Inc-Receives-Luxembourg-s-Autonomous-Vehicle-of-Robotaxi-Testing-Permit-Establishes-Its-First-European-Hub-for-Research-and-Testing.html

【参考】関連記事としては「自動運転、中国が「Googleより先」に第三国への展開急ぐ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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