Googleの自動運転タクシー、目的地まで「2倍の所要時間」 ライドシェアと比較

Uberより料金は3割以上割高



Googleの自動運転タクシーは、ライドシェアと比べると2倍以上の時間を要し、しかも料金は高くなるということが、このほど調査により判明した。


この調査は米メディアForbesが公開したもので、Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)が展開する自動運転タクシーと、Uberなどのライドシェアについて、カリフォルニア州ロサンゼルスにおける平均値を比較している。

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■ロボタクシーとライドシェアを比較

Google系Waymoが展開している自動運転タクシー=出典:Waymo公式ブログ

Waymoが2018年12月に世界で初めて自動運転タクシー(ロボタクシー)の商用サービスを開始し、6年が経過した。その間、GM傘下のCruise中国企業などがロボタクシー事業に参入し、日本でもロボタクシーの取り組みが加速している。完全ドライバーレスのロボタクシーは、深刻な人材不足や労働環境の改善に寄与するとして、高い評価を得つつある。

しかし実際のコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスは、人間が運転するライドシェアサービスと比較するとどうなっているのだろうか。Forbesは、ロサンゼルスを拠点にモビリティを担当するエンジニアが調査した結果をこのほど掲載した。

ロサンゼルスにおけるWaymo、ライドシェアのUberとLyftについて、それぞれ50回の乗車において下記3つの指標でサービスを測定するという内容だ。


  • 予約時の料金
  • 予約前のピックアップ予定時間
  • 予約前の到着予定時間

■料金は「3割以上割高」という結果

調査によると、ロボタクシーを展開するWaymoの平均料金(運賃)は37.64ドル(約5,813円)となっている。ライドシェアのUberは28.3ドル(約4,370円)、Lyftは27.99ドル(約4,322円)だ。ライドシェア2社の平均は28.14ドル(約4,346円)となる。

ロボタクシーの方が、ライドシェアより3割以上割高になっている。ただしライドシェアの場合、ドライバーにチップを支払うことがほとんどだ。それを加味するなら価格差はそんなに大きなものではないと考えることもできる。

■「ピックアップまで」と「到着まで」の時間は・・・

またピックアップまでの平均時間については、Waymoが7.2分なのに対し、ライドシェアの平均は3.4分と半分以下になっている。到着までの平均時間も、Waymoが33分、ライドシェア平均が15分と、半分以下だ。

例として、サンタモニカからダウンタウンまで乗車した場合、ライドシェアでは29分、Waymoでは1時間18分を要したという。現在Waymoは高速道路を走行していない。走行スピードも人間の運転より慎重であることも、ロボタクシーの時間がライドシェアより多くなった要因として挙げられている。


さらにWaymoは乗客を希望通りの場所で降ろすことができず、降車してから目的地まで少し歩く必要があることが多いという。

■ロボタクシーのメリットは何か

出典:Waymoプレスリリース

倍以上の時間を要するにもかかわらず、料金は高いというロボタクシー。それではメリットは何なのだろうか?

コストと時間を重視する人はライドシェアを選択するだろう。現状、特別な乗車体験を求める人がロボタクシーを求めている傾向にあるようだ。また女性1人で利用する際などは、ライドシェアや一般タクシーよりも、運転手不在のロボタクシーの方が安心できるという声も多いようだ。

ただしこのままロボタクシーの実用化を進める場合、料金や時間についての問題は改善していかなければならない。また、現在ロボタクシーは限られた区間のみで運行している。そうなると利用できるユーザーの幅も狭まってしまう。

現在のWaymoは、特別な乗車体験を希望する人を対象にサービスを展開しているように見える。ただし安定して事業を運営していくためには、コスト・時間・エリアといった要素の改善をしていかなければならないだろう。運行中のトラブルも多いため、安全性の確保やトラブル時の早急な対応も必要だ。

■ロボタクシーの事業化は成功する?

日本でも、ホンダ・GM・Cruiseによるロボタクシーサービスが東京都心部で2026年始めに開始される予定だ。日本の自動運転開発を率いるティアフォーも、ロボタクシーによるサービス実証を行っている。

米国や中国で実用化が進むロボタクシーだが、日本人は新しい技術やサービスに対して、より慎重な印象がある。「特別な乗車体験」という魅力のみでロボタクシーへの乗車希望者を継続的に確保できるのだろうか。

各国のロボタクシー開発の進捗とともに、日本でのサービス展開にも注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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