クロネコヤマトは「中国頼み」?自動配送ロボベンチャーYoursに追加出資

KURONEKO Innovation Fund、2020年に続き



物流大手のヤマト運輸を有するヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:長尾裕)は、中国の自動運転ロボット開発企業に追加出資を行ったことをこのほど発表した。


ヤマトホールディングスが共同設立した「KURONEKO Innovation Fund」を通じ、中国・北京市に本社を置くYours Technologiesに、2020年12月に引き続き出資を行ったという。

日本を代表する物流・運送企業が中国の自動配送系ベンチャーに出資したということは、まさか「この分野のイノベーションは中国に頼るしかない」と考えているのだろうか。ヤマトHDが注目するYours Technologiesに迫る。

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■KURONEKO Innovation Fundが出資

出典:Yours Technologies公式サイト

ヤマトホールディングスは独立系ベンチャーキャピタル大手のグローバル・ブレインと共同で、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「KURONEKO Innovation Fund」を2020年4月に設立した。2024年5月には「KURONEKO Innovation Fund 2号」を80億円で設立、オープンイノベーションを加速させ、持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業を目指すとしている。

KURONEKO Innovation Fundは、2020年12月に第1号案件としてYours Technologiesに出資を行い、技術交流を通じて日本国内における自動運転ロボットを活用した無人配送についての検討を進めてきた。Yours Technologiesの高い技術力と、市況に合わせてサービスを拡張・展開するといった柔軟性の高い事業モデルを評価し、今回追加出資を実行するに至ったという。


今後、Yours Technologiesが開発した自動運転ロボットの実証をヤマトグループの経営資源を活用して行うなど、両社の連携によるシナジー創出を行っていく計画だ。

■ヤマトHDが注目するYours Technologies

2018年設立のYours Technologiesは、ラストワンマイルデリバリー向けの自動運転ロボットの開発・製造や、自動運転ロボットソリューションの提供といった事業を手掛けているスタートアップだ。同社の自動運転ロボットはコンピュータービジョンをベースとしており、室内外で運用可能という特徴を持つ。

Yours Technologiesが開発するアルゴリズムは、どんな照度の環境下でも周辺物体の輪郭を3次元で抽出できることから、高精度な地図の作成が可能となる。それにより自動運転ロボット製造の低コスト化を実現させたという。


中国国内の111都市において、さまざまな企業と連携して商業施設などで自動運転ロボットによる荷物の配送や移動販売、移動サイネージ広告などのサービスを提供している。

■自社で京セラ系と自動配送ロボ実証も

出典:京セラコミュニケーションシステム・プレスリリース

ヤマト運輸は、自動運転の実用化のほか、次世代モビリティや先進技術の開発に積極的に取り組んでいる企業だ。2020年12月には、空の新たな輸送モードの実現に向け宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、物流電動垂直離着陸機(物流eVTOL)への装着と地上輸送手段への搭載の両方が可能な大型貨物ユニット「PUPA(ピューパ)8801」の空力形状を開発したことを発表している。

また2022年11月には、京セラコミュニケーションシステム、北海道石狩市と共同で、石狩市の一部エリアの公道で無人自動配送ロボットを活用した個人向け配送サービスの実証実験を行った。

KURONEKO Innovation Fund 2号としては初の出資案件として、衛星データとAI(人工知能)技術を活用し、農業や気候変動の課題解決に取り組む日本企業のサグリに出資したことを2024年8月に発表した。

■中国がリードする自動配送ロボット開発

自動配送ロボットは、日本でも一般的になりつつある。ファミレスなどでネコ型の配膳ロボットを見たことがある人も多いのではないだろうか。このロボットも中国企業のPudu Roboticsが開発している。

この分野における開発は、中国企業頼りになるのだろうか。ヤマトの自動配送ロボット実装に向けての取り組みとともに注目していきたい。

【参考】関連記事としては「自律走行ロボットの種類は?(2024年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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