前澤友作氏「ヘリタクシーを当たり前に」 新興企業に10億円投入

Space Aviationが資金調達を発表



出典:Space Aviationプレスリリース

エアモビリティ関連事業を手掛けるSpace Aviation株式会社(本社:京都府京都市/代表取締役社長:保田晃宏)=スペースアビエーション=は、ZOZO元社長の前澤友作氏が設立した前澤ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施し、10億円の資金調達を行ったことをこのほど発表した。

これにより、Space Aviationは事業と組織の拡大を行う予定だ。またヘリコプターの利用は有事の際のみまたは超富裕層向けというイメージがあるが、同社は各地で幅広い価格帯のフライトを提供しており、今後多くの人がヘリコプターをより身近な存在として認知・体感できるよう尽力していくという。


■空の移動革命を推進するSpace Aviation

Space Aviationは、航空運送事業を行う匠航空の代表である森岡匠氏が、事業と運航機能の分離を目的に匠航空HDを2019年に設立したことから始まっている。その後、2021年に匠航空HDは社名をSpace Aviationに変更した。

Space Aviationは「誰もが自由に空を利用できる社会へ」をテーマに、空の自由な空間を解放し、より豊かな生活と、より安全かつ機動力のある防災システムの実現を目指しているという。事業内容は、「遊覧・スカイタクシー」「教育・訓練事業」「航空機の売買・管理」「ヘリポート開発・運営」となっている。

現在は京都本社や、岡山整備主基地、北海道洞爺湖、東京、千葉、神奈川、熊本、沖縄本島、石垣島を拠点に、合計45機の航空機を用いて全国でフライトサービスを展開している。Space Aviationによると、同社グループはヘリコプター遊覧飛行において国内ナンバーワンのフライト実績を有し、全国270カ所以上の場外離発着場を確保しているという。


■前澤氏「ヘリタクシーが当たり前の時代になるように」

今回調達した資金は、パイロットや整備士、経営者層などの人材強化や、eTVOL(電動垂直離着陸機)などの次世代エアモビリティの活用を見据えた各拠点の機能強化、インバウンド対応、新たな観光体験の創出に活用するという。

さらに、地方自治体との協業関係をさらに構築し、快適な空の移動サービスや日本各地の特色のある旅行体験の造成に注力していく。それにより訪日外国人と国内旅行客をターゲットとした「観光UX(ユーザー体験)」の強化を行う。

この出資について、前澤ファンドの代表取締役である前澤氏は「空の上のタクシーみたいに、アプリで呼んだらすぐにヘリコプターが来て、どこへでもさくっと飛んで行ける」という構想を述べ、「Space Aviationの躍進によって『ヘリタクシー』が当たり前の時代になるようにしたい」とコメントしている。

またSpace Aviationの保田氏は「世界的に次世代エアモビリティの開発が進むなか、Space Aviationはその活用に最も積極的」とし、「今回出資を受けられたことは、多くの人々にエアモビリティの可能性をお伝えする大きなチャンスであると捉えている」と意気込みを語っている。


■「ヘリタクシー」への関心高まる!?

Space Aviationは今年に入り、沖縄県の石垣島〜多良間空港を結ぶヘリタクシーの運航を開始したり、千葉県の三井アウトレットパーク木更津でヘリコプター遊覧を行ったりと、さまざまなエリアで事業を拡大している。

空飛ぶタクシー「ヘリタクシー」は、移動だけでなく観光体験もできるモビリティとして、ますます関心が集まりそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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