ホリエモン取締役のHakobot、自動搬送ロボで工場をつなぐ実証

過去に「2026年バイアウト」の予定を発表



出典:Hakobot社プレスリリース

自動配送ロボットの開発を手掛ける国内スタートアップの株式会社Hakobot(本社:宮崎県宮崎市/代表取締役:大山純)は、工場と工場を自動配送ロボットでつなぐ実証実験を2024年7月19日に行うことを発表した。

Hakobotは、ホリエモンこと堀江貴文氏が取締役を務めていることで知られるスタートアップだ。今回の実証実験では、自動配送ロボットが100キロの荷物を積載して公道走行を行うという。


■Hakobot×近畿大のタッグ

Hakobotは、2023年度から近畿大学経営学部の経営学科教授・古殿幸雄ゼミと、自動配送ロボットのビジネスモデル構築に向けた共同研究及び実証実験を重ねてきた。2023年9月には、近畿大学のオープンキャンパスに来場する高校生にミネラルウォーターを自動配布するという実証実験も行っている。

これまでの研究結果を踏まえ、高額な自動配送ロボットがどのような業界で導入が見込めるのかについて議論してきた。その結果、同価格帯で類似運用のAGV(無人搬送車)などの屋内用自動搬送車の導入が進む製造業や物流事業者で、公道を介した屋外搬送の需要があるのではという結論に達したという。

そこで2024年度は、町工場や物流センターが点在している大阪府の東大阪工業地帯で重量積載物を搬送する実証実験を実施するに至った。メディア向け公開実証実験として行われ、Hakobotが資本業務提携しているサンコーインダストリーの東大阪物流センター協力のもと、普段頻繁に発生している配送業務を人に代わって自動配送ロボットが行う。

具体的には、加工前のネジを加工業者に搬送し、加工後のネジを積載して戻ってくるという作業内容になる。


■小型としては最重量級の100キロを積載

出典:Hakobotプレスリリース

実証実験では、サンコーインダストリー東大阪物流センターと深輝精工という2つの工場間を配送ロボットが自動運転で走行する。低速・小型の屋外用自動配送ロボットでは最重量級となる100キロの荷物を積載しての公道走行となる。

車道と歩道を白線で区切る狭い道路のため、基本的には白線上を走行するが、路上駐車などにより自動運転が難しい場合には適宜遠隔操作に切り替る。その後コースに戻り次第自動運転に戻すという、安全に考慮したハイブリッド運用を実施する。

Hakobotの自動配送ロボットは、小型ながら4輪駆動を採用しているため100キロまでの積載が可能となっている。重量荷物を公道という屋内とは異なる路面環境下で搬送することで、新たな活用方法を今後提案いく計画だ。


また4輪操舵で設計されている自動配送ロボットのため、車両に前後の概念がなく、同じ走行軌道での往復が可能になっているのが特徴だ。そのため狭い道を車両の切り返しを行わず、バック走行で加工業者から物流センターへの復路を走行することが可能になっている。

■ホリエモン氏も参画するHakobot

2018年5月設立のHakobotは、「なんでも載せられる、しっかり運ぶ」をコンセプトに走破性が高くシンプルな操作性を実現する配送ロボット開発を進めている。

同社の配送ロボットは、走行ユニット「Hakobase」のみで自動運転実装が可能なため、荷室は用途に応じてカスタマイズしたものを取り付けられるのが大きな特徴になっている。Hakobaseは特許出願済みの「4輪駆動4輪操舵(4WD4WS)」というオリジナル設計になっており、優れた走破性を実現している。

2021年12月に株式投資型クラウドファンディング(https://fundinno.com/projects/308)を行った際は、今後のビジネスの進め方として、2026年にバイアウトを予定し、売上高は約27億円を想定とのマイルストーンを公表していた。また2026年内に400台以上のロボットの販売を目標にしていた。

今回の実証実験結果により、今後の展開がより具体的になっていくかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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