トヨタGW明け決算、今度こそ「自動運転タクシー」参入表明か

だとすると、株価は上昇・下落、どちらに動く?

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出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

ゴールデンウイーク(GW)が空けて間もなく、2024年5月8日(水)の午後に、トヨタ自動車の2024年3月期(2023年4月〜2024年3月)の通期決算が発表される。

決算発表は取引時間中となる見込みだ。2023年3月期の通期決算の発表ではウェブでライブ中継があり、新社長に就任したばかりの佐藤恒治氏がマイクを握った。

取引時間中の決算発表では、内容次第で価格が大きく変動する。ホンダ日産自動運転タクシーの事業計画を公式に発表する中、トヨタもライバルに続いてこの日の決算発表で構想を発表すれば、トヨタ株の売買の絶好の取引材料となりそうだ。

▼投資家情報|トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
https://global.toyota/jp/ir/

■e-Paletteを軸に技術開発に注力

出典:トヨタプレスリリース

トヨタは特に、MaaS向けの自動運転シャトルe-Palette」(イーパレット)の開発に力を入れてきた印象だ。アメリカでは日本未発売車のシエナを「シエナAutono-MaaS」として自動運転車に改造し、アメリカのベンチャー企業などがこの車両を使ったサービス開発に取り組んでいる。

自動運転の一歩前の段階に相当する市販車向けの「ADAS」(先進運転支援システム)に関しては、レクサスなど向けに最新システムを開発し、技術力を上げてきた。自動運転ベンチャーへの出資や提携も通じて、自動運転ビジネスにアプローチしてきた経緯もある。

ただ「自動運転タクシー」に関しては、トヨタの事業構想に関する情報が対外的に公式に発表されたことはない。

一方、ホンダがアメリカのGMとGM Cruiseと2026年初頭に自動運転タクシーサービスを開始予定だと、2023年10月に発表している。日産は2024年2月、自動運転タクシーの事業化の目安として「2027年度」と発表した。日産はかねてよりEasy Rideというプロジェクト名で実証実験に取り組んできた経緯がある。

■考えられるアプローチは2種類

そんな中、トヨタがどのような形で自動運転タクシービジネスにアプローチをしていくのか、注目が集まっている。

そもそもこの領域に全くタッチしない、という可能性もゼロではないが、市場としての有望性が大きいだけに、ノータッチということはあまり考えにくい。仮に何らかの形で参入するとすれば、大きく分けて2つの方向性が考えられる。

1つ目は「自動運転タクシー向けの車両を供給する自動車メーカー」としての参入、2つ目は「自動運転タクシーをサービスとして展開するモビリティカンパニー」としての参入だ。前者は車両製造に徹する格好、後者はサービス展開に乗り出す格好だ。

トヨタはかねてより、「自動車の製造メーカー」からの脱皮を掲げてきただけに、サービスとして自動運転タクシービジネスを展開する可能性は一定程度高いと考えられる。

【参考】ただし自動車メーカーが自動運転タクシーを展開するには、一定のハードルがある。詳しくは「トヨタ参入に壁!自動運転タクシー、運行は「タクシー事業者」限定か」を参照。

■参入発表なら株価は上昇・下落?

自動運転タクシーの市場規模に関しては、2030年までに986億ドル(約14兆8,000億円)に達するという市場調査が発表されている。2023〜2030年のCAGR(年平均成長率)は65%と驚異的な伸びとなる見込みで、自動車ビジネスに関わる企業としてはこの事業機会をみすみす見逃すわけにはいかない。

ただ、自動運転タクシービジネスへの注力を発表したテスラの株価が、一部アナリストの収益性に関する懸念の言及によって大きく下落するといったことも起きている。アナリストの指摘は、マネタイズを達成するまでにかかる期間はある程度長くなる可能性がありリスキー、といったことだった。

確かにそうした側面も否めず、そういう意味では、自動運転タクシーへの参入の発表が、イコール株高に結びつくとは限らない。

トヨタの5月8日の決算発表では、そもそも自動運転タクシーの事業について構想が発表されるのか、もしされたとしたら株価は上昇・下落のどちらに反応するのか。この日の決算発表の内容に要注目だ。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略(2024年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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