国産自動運転バス、「国内最長」36kmを運行!WILLERとティアフォーが実証

2社のタッグ第2弾、佐渡市で実施



出典:WILLER試乗会予約申込サイト

新潟県佐渡市で、全長約36キロの「国内最長ルート」を自動運転するという実証実験が2024年1月12日〜21日に実施中だ。

自動運転サービス導入を見据えたもので、高速バス大手のWILLERと自動運転スタートアップであるティアフォーが、新潟交通佐渡と協力して実施している。







車内にはセーフティオペレーターと係員が同乗し、安全確認や乗客の乗降サポートを行うほか、必要に応じて手動走行に切り替えて減速・停止操作が行われる。万が一に備えて緊急停止ボタンも用意されている。

【自動運転ラボの視点】
特定エリア内での完全自動運転(※人の介入を前提としない水準)は「自動運転レベル4」に相当するが、緊急時などを含めて人の介入を前提としている場合は、一般的に「自動運転レベル2相当」と解されるケースが多い。

なおWILLERとティアフォーは、自動運転を活用した新しいモビリティサービスの創造を目指し、2023年11月から連携を開始している。2023年度に国内3エリアで実証実験を行う計画で、今回の佐渡市での実証は連携第2弾となる。

■36キロの国内最長ルートを運行

佐渡市は鉄道交通がなく、地域の公共交通の主軸はバス交通が担っている。車を運転することができない学生や高齢者にとっては、公共交通を利用して自由に外出できる地域交通の強化が必須となっている。

少子高齢化に伴う運転手不足や収益性低下が懸念されるなか、自動運転サービス導入による閑散路線の維持が期待されている。また、福祉や物流、観光といった異業種との連携を通じ、持続性の高いサービスを構築することも見込まれているという。

今回の実証では、佐渡金銀山ガイダンス施設「きらりうむ佐渡」から尖閣湾揚島遊園または岩谷口までを結ぶ最長約36キロの国内最長ルートを自動運転バスが運行する。起伏の激しい海岸線での風や雪などの厳しい気象条件における自動走行技術実証のほか、異業種とのサービス連携実証を実施する。

高齢者や小学生の子どもがいる家庭向けの説明会や試乗会などを通じ、新技術導入に対する社会受容性の醸成に取り組み、佐渡市における自動運転サービスの実用化を目指す。

■WILLERとティアフォーの役割は?

実証において、WILLERは事業全体の推進・管理を担い、特に異業種とのサービス連携実証と社会受容性醸成に注力する。ティアフォーは、2023年10月に道路運送車両法のレベル4認可を取得した自動運転システムの技術やノウハウを活用した自動運転車両を提供する。

使用するのはティアフォー製の自動運転小型EVバス「ティアフォーMinibus」で、乗車定員は15人となっている。LiDARや遠隔監視用カメラ、物体認識カメラ、信号認識カメラ、レーダーが搭載されており、最高時速35キロで自動走行する。

一般向け試乗会は2024年1月12、16、20、21日の4日間で、WILLERの特設サイトから予約する。

出典:WILLERプレスリリース

▼佐渡市 自動運転バス試乗会|MaaS|WILLER TRAVEL【公式】
https://travel.willer.co.jp/maas/autonomousdriving-sado/

■海外製が目立つ自動運転バス市場

国内における自動運転バスの実証では、仏Navyaが開発した「ARMA」やエストニアのAuve Techが開発した「MiCa」の活躍が目立つ。これらはすでにソフトバンク子会社のBOLDLYにより、茨城県境町や羽田イノベーションシティ、北海道上士幌町などで実用化されている。

その状況の中、測量技術を武器に自動運転開発を進めるアイサンテクノロジーは、国産のティアフォーMinibusを導入し、小型自動運転バスの運行を全国各地でスタートさせることを2023年11月に発表している。政府が推進する「RoAD to the L4」プロジェクトにおいて、2025年度に自動運転移動サービスを50カ所程度で実現するという目標に向けた取り組みとなる。

またWILLERとティアフォーの連携においては、2023年度に佐渡市のほか秋田県大館市や鳥取県鳥取市で実証実験を実施し、閑散バス路線を自動運転バスに置き換えることによるニーズや課題を検証し、ビジネスモデルを創造していく計画だ。これらの地域での課題検証をふまえ、2025年度には約10エリアでの実用化を目指すという。

■国内製が各地で続々と実用化!?

国内製自動運転バスとしては、東大発自動運転ベンチャーである先進モビリティが開発した自動運転システムを搭載した車両が、実証実験ぇに活用されている。また埼玉工業大学では、同大学内の「自動運転技術開発センター」が開発した自動運転バスを入学式の送迎に用いたり、公道走行したりといった取り組みを行っている。

自動運転開発で実績多数のWILLERとティアフォーがタッグを組んだことで、全国で自動運転バスの実装が加速していくのか。国内開発の自動運転バスの導入状況にも注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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