株式投資の人気テーマランキング、「自動運転車」が5位 みんかぶと株探が集計

自動運転関連の代表的な銘柄は?



出典:Waymo公式サイト

株式投資の人気テーマランキングで、「自動運転車」が5位にランクインするという調査結果が発表された。株などの金融商品情報に関するメディア「みんかぶ」と「株探」が集計したものだ。

自動運転車は企業のほか政府や自治体なども実用化に取り組んでいる分野であり、投資先としても注目が集まりつつある。


■「自動運転車」が人気テーマランキングで5位

集計によれば、人気テーマのベスト10は以下の通りだ。

  • 1位:半導体
  • 2位:半導体製造装置
  • 3位:円高メリット
  • 4位:人工知能
  • 5位:自動運転車
  • 6位:生成AI
  • 7位:JPX日経400
  • 8位:パワー半導体
  • 9位:2023年のIPO
  • 10位:インバウンド

自動運転車は、5位にランクしている。その理由として、すでに日本が自動運転技術開発において世界のリード役としての立ち位置にあることが挙げられている。

政府が成長戦略として掲げる次世代分野として、生成AIや脱炭素と並び自動運転も重点領域となっていることも要因となり、株式市場での注目度も高まってきているようだ。

■自動運転車関連の代表的な銘柄は?

国内の自動運転関連銘柄としては、トヨタホンダ、アイサンテクノロジー、ジョルダンなどが挙げられる。


トヨタは自動運転の実証実験などを行う「Woven City(ウーブン・シティ)」を静岡県裾野市に建設中で、早ければ2024年にも第1期がオープンする予定だ。また、自動運転シャトルe-Palette(イーパレット)」も、商用化に向けて開発を進めている。

ホンダは、米GMやCruise自動運転タクシーサービスを開始する合弁会社を設立し、2026年初頭から完全自動運転のタクシーサービスを開始することを2023年10月に発表している。運転席やハンドル、ペダルが無い自動運転車両「クルーズ・オリジン」を用いて運行する予定だ。

米中で先行する自動運転タクシー開発だが、現在展開中の自動運転車両は全て、乗用車を自動運転向けに改造したものを用いている。そのためホンダらによる自動運転専用車でのタクシーサービスは、世界初になるかもしれない。

LiDAR銘柄、NVIDIA、Google、GM…
出典:GM Cruise公式サイト

海外では、Luminar TechnologiesやOuster、Innoviz TechnologiesなどのLiDAR開発企業のほか、自動運転技術開発のMobileyeなどが米国市場に上場している。ただし、この数年は株価が低迷している銘柄が多い。


その中で、米半導体大手NVIDIAの株価は絶好調であると言ってもいいだろう。同社の自動運転チップは、中国のEVメーカーでも採用が進んでおり、トップレベルの世界シェアを誇る。また2023年10月には台湾Foxconn(フォックスコン/鴻海科技集団)と、スマートカーの開発・量産化に向け新たなデータセンター「AIファクトリー」の構築を進めていくことも発表している。

またWaymoとして自動運転タクシー事業を展開するGoogleにも注目すべきであるほか、同様に傘下のCruiseがロボットタクシーを展開(※現在は運行を停止中)しているGMも、自動運転銘柄に挙げられる。

最近、米国での金利引き下げ観測により、日本を含め株式相場全体が回復基調にある。そのため、投資するなら今は良いタイミングだといった見方もある。

日本株・海外株のどちらにおいても、自動運転車は注目テーマだということは間違いない。成長途中の分野のため、これから企業研究を始めても遅くはない。

【参考】関連記事としては「自動運転向けLiDAR企業、株価90%安も「今が買い時」説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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