トヨタ、パリ五輪で自動運転車の「リベンジ運行」見送りか CO2排出量削減に重点

乗用車をすべて電動車で提供、パーソナルモビリティも



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

トヨタ自動車は2023年10月10日までに、2024年開催のパリ五輪で「持続可能なモビリティ」を提供することを発表した。東京五輪では自動運転シャトルe-Palette(イーパレット)」を走行させたが、パリ五輪でも自動運転車を提供するのだろうか。

結論から言うと、トヨタの発表の中身を読んでみても、自動運転車の提供を行うとは書かれていない。一方、パリ五輪では車両の二酸化炭素(CO2)排出量を東京五輪と比較して50%削減することを目指しており、大会公式車両の乗用車を全て電動車で提供するという。


ちなみにトヨタは、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)のワールドワイド・モビリティ・パートナーだ。

■新型APMなどに注目

トヨタは大会期間中、全ての人の快適な移動をサポートするため、誰もが移動しやすいように設計されたパーソナルモビリティをはじめ、さまざまなモビリティソリューションを提供する。

パーソナルモビリティとして提供するのは、東京五輪でも好評を博したCO2を排出しないBEV(バッテリー式電気自動車)の「APM(Accessible People Mover)」250台だ。これは欧州でインクルーシブに重点をおいて設計および生産された新型APMになる。

また、パーソナルBEVである座位型の「C+walk S」60台と立位型の「C+walk T」190台を提供する。このモビリティにはドライバーと周囲の安全を確保するため、障害物検知システムが搭載されており、最高時速6キロで走行する。着座型はアスリートや関係者、大会ボランティア向け、立位型は大会スタッフやボランティア向けに使用される予定だという。


車いす用電動けん引モビリティ「e-pullers」も200台提供する。選手村に50台、パラリンピック開会式に参加する車いす利用のアスリート向けに150台という内訳になる。さらに、パラリンピック選手村でのパーソナルな移動のサポートのため、超小型モビリティを容易にアクセスできるよう、モバイルアプリ「KINTOシェア」を活用したシェアモビリティサービスの提供も行う。

また、FCEV(燃料電池自動車)の「MIRAI」も500台提供する。MIRAIは水素を燃料としており、排出ガスゼロでの移動を実現する。大会終了後は500台全てがタクシーとして利用されるという。

■東京五輪のe-Palette事故が影響?
出典:トヨタプレスリリース

トヨタは東京五輪でe-Paletteを選手村で運行させた際、事故を起こした。交差点の横断歩道を渡ろうとした視覚障がいのある柔道選手が、自動運転レベル2で走行していたe-Paletteと接触するという事故だった。トヨタは事故発生後、選手村内におけるe-Paletteの運行を停止した。

事故調査の結果、自動運転システムに問題はなく、人為的ミスが重なったことが原因だと結論づけられたが、あくまで推測だが、このことがパリ五輪で自動運転車をリベンジで提供・運行しないことに影響しているのだろうか。


ちなみにe-Paletteの事故調査結果については、以下の記事を参考にしてほしい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事