アメリカの自動運転ベンチャーが日本国内で自動運転トラックの走行試験を開始していたことがこのほど明らかになった。そのベンチャー企業とは米ナスダック市場に上場するTuSimple(トゥーシンプル)。同社の日本支社が2023年1月から東名高速道路で走行試験を始めたという。
ちなみに以下が東名高速道における自動運転トラックの実証実験の様子だ。運転席には人が座っているため、セーフティドライバーが乗った状態での走行試験といえる。
■日本法人は2017年にすでに設立
TuSimpleは2015年に設立された企業で、カリフォルニア州サンディエゴに本社を置いている。現在の研究開発チームの人員は米国以外の海外拠点を含め約600人に上る。
同社は、自動運転レベル4(高度運転自動化)の自動運転トラックの実用化による幹線物流改革に取り組んでおり、アメリカのほか、アジアにおいては中国の上海と北京、日本においては東京と神奈川での展開を進めている。
日本支社であるTuSimple JAPANの設立は2017年と早く、2021年には日本支社独自の自動運転システムと日本製のトラックとの適合作業を進め、シミュレーター検証や専用テストフィールド検証、シャドーモード検証などをこれまでに完了させた。
そして2023年1月に東名高速道路で自動運転トラックの走行試験をスタートし、今後は今年中に東京・名古屋間での自動運転トラックの走行実証実験を実施し、2024年からは「完全無人」の自動運転トラックの走行実証実験に向けた準備や東京・大阪間での走行実証を進めるとしている。
■日本企業にとって驚異的な存在に?
アメリカは自動運転の実用化で日本をリードしており、米企業のTuSimpleによる日本国内における走行試験実績は、日本企業にとっても脅威に映りそうだ。同社は実証実験を重ねたあと、「本格的な実運用開始も検討している」としている。今後に注目だ。
【参考】関連記事としては「自動運転トラック開発のTuSimple、米最大の貨物鉄道会社を顧客に」も参照。