中国の自動運転配送ロボが続々!日本の同業企業、戦々恐々?

NECネッツエスアイ、YUNJI GOGO提供へ



出典:NECネッツエスアイ・プレスリリース

NECネッツエスアイ株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役執行役員社長:牛島祐之)は2023年2月20日までに、中国のBeijing Yunji Technologyの自律走行型配送ロボット「YUNJI GOGO(ユンジ ゴーゴー)」の日本国内向けサービス提供を始めることを発表した。

■導入からアフターフォローまでをサポート

YUNJI GOGOを活用することで、複合施設内でのデリバリーの提供や、ホテルでの客室への食事やアメニティの配送、病院で病床エリアへ医薬品や検体の配送などが実現できる。そんなYUNJI GOGOには主に3つの特徴がある。


YUNJI GOGOの3つの特徴

1つ目は2.5センチ以内のフロア内の段差を越えて走行でき、傾斜角度13度までのスロープの走行が可能な点だ。分厚いカーペットなどが敷かれていても運用できるという。

2つ目はセキュアな運搬を実現している点だ。上下2カ所ある積載スペースに扉があり、暗証番号を入力することで解除するロック機能がついている。ロック機能があることで、配送物へのいたずらを防止し、ゴミの付着も防げる。

3つ目は複数のフロアをまたがる運用ができる点だ。エレベーターやセキュリティゲートなどの建物設備と、NECネッツエスアイが提供するマルチロボット管理プラットフォームを連携させるという。

NECネッツエスアイはこれまで各種ロボットを取り扱ってきた実績をもとに、YUNJI GOGOの設置環境調査や走行ルート設計、セットアップ、操作教育など、導入からサポートまでをワンストップで担うようだ。


毎秒最大1.5メートルの速度で走行

YUNJI GOGOのサイズは、奥行49×横幅42×高さ97.5センチで、毎秒最大1.5メートルの速度で走行する。3年契約で、価格は月額税抜き16万円からとなっている。これには機器レンタルや導入作業、電話受付、オンサイト保守が含まれる。

■日本の同業企業、中国製ロボに戦々恐々?

国内でも、ZMPやティアフォー、パナソニック、Hakobot、京セラコミュニケーションシステム、アーク、スマイルロボティクス、シンテックホズミなどが自動運転配送ロボットを開発している。トヨタホンダなど、自動車メーカーも自動運転配送ロボット分開発に本腰を入れており、この市場はライバルが多い。

中国勢ではBeijing Yunji Technology以外にも、EC大手のJD.comやPudu Robotics、Keenon Robotics、Yours Technologies、Linming、Rice Roboticsなどの自動運転配送ロボットが、すでに日本で展開されている。中国の自動運転配送ロボットの活躍が目立つようになる中、日本の同種のロボットの開発企業は戦々恐々としている面もありそうだ。

▼Beijing Yunji Technology公式サイト
https://www.robotrunner.com/


【参考】関連記事としては「日本に中国から上陸!自動運転配送ロボ「YUNJI DELI」とは?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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