単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」という働き方が人気となっている。その代表格が「Uber Eats(ウーバーイーツ)」をはじめとするフードデリバリーサービスの配達員だ。
「配達パートナー」と呼ばれるウーバーイーツの配達員は個人事業主となり、ウーバーイーツとの雇用関係はない。そこで気になるのは、稼働中の事故やケガをしたケースでどうなるのかだ。
具体的にどんな事故・ケガが考えられるのか、また補償や労災適用はあるのか、調べてみた。結論から言えば、Uber Eatsで働くなら、同時並行的に、タクシー運転手への転職も検討してほしい。
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記事の目次
■どんな状況での事故・ケガが考えられる?
ウーバーイーツの配達パートナーは、レストランなどの店舗から商品をピックアップし、注文者の自宅や勤務先など指定された場所へ届けるのが仕事だ。料理のほか、スーパーマーケットから食材、ドラッグストアから日用品をデリバリーすることもある。
配達する際は、自転車・徒歩・原付・軽二輪車・小型二輪車・軽自動車といった方法がある。自転車を用いる人が多いが、冬期間は車でデリバリーする人が急増する。車は移動時間が短縮されるため、より多くのオーダーを受けることができ、収入アップにつながるという点もメリットだ。車でのデリバリーは、自転車よりも約20%高い報酬が得られるというデータもあるようだ。
デリバリー中に心配な事故やケガ。どんな事例があるのか紹介する。交通事故が大多数を占めており、加害者になる場合と被害者になる場合があることを覚えておこう。
自転車やバイクで移動中に転倒
多いのが、走行中の転倒事故だ。配達を急ぐあまり無理をしてしまう配達パートナーもいる。カーブを曲がりきれずに転倒したり、信号で急ブレーキをかけた際に転倒したりといったことが考えられる。雨の日は特に注意したい。
自転車で移動中に車と接触・衝突
自転車は車道と歩道の区別がある道路では、車道を走行するというルールがあるが、走行時に車と接触したり衝突したりといったことが考えられる。特に配達パートナーは大きなリュックサックを背負っているため、通常の移動のようにスムーズにいかないこともある。
自転車やバイク、車で移動中に歩行者をはねる
横断歩道などを渡っている歩行者をはねる、歩行者と出会い頭に衝突、といった事故が考えられる。急いでデリバリーしたい気持ちは分かるが、周囲をきちんと確認しながら走行しないと取り返しのつかない事故につながる危険性がある。
立ち止まって専用アプリを確認中、自転車や車にひかれる
料理をピックアップする店舗やデリバリー先の場所を確認するため、スマホの地図を見る場合がある。また走行中に新たな配達オーダーが入り、内容を確認したい場合もある。そんな時、停車する位置や状況を考えないと危険だ。急停止して後続車にはねられたり、歩行者とぶつかったりする可能性がある。
乗り物から降りて部屋までデリバリー中に階段で転倒
マンションやアパートによっては、階段で依頼者の部屋まで品物をデリバリーすることもある。料理を持ちながらだと、階段を踏み外して転倒したり足をくじいたりする可能性がある。急いでいても足元にはくれぐれも気をつけたい。
■事故・ケガの際の補償はある?
フードデリバリーの配達員は個人事業主であるため、原則として労災保険による休業補償は受けられない。
ただしウーバーイーツには、配達パートナー向けサポートプログラムがある。配達中の対人・対物賠償責任保険や、配達中の事故により配達パートナー自身が傷害を負った場合に、見舞金を医療費や入院費などの見舞金を補償するものだ。
ただあくまでそれはケガや事故への対応であり、給与が補償されるものではない、という点を知っておきたい。
【参考】関連記事としては「ウーバーイーツ(Uber Eats)は稼げない?儲かる?」も参照。
■タクシー運転手の方がおすすめ
車を運転するという意味ではウーバーイーツの配達パートナーと同様の仕事に、タクシードライバーがある。タクシードライバーはタクシー会社に雇用されているため、社会保険完備で有休もある。
仕事中のケガなどについて労災認定がされれば、労災保険給付の支給を受けることも可能だ。労災保険から支給される休業に関する給付には「休業補償給付」と「休業給付」の2つがある。
タクシードライバーはフードデリバリーの配達員より自由度は低くなるが、シフト希望を出せ、歩合制がほとんどのため頑張った分だけ収入が増えるやりがいのある仕事だ。「保証給」という制度を採用しているタクシー会社も多く安心感がある。

■【まとめ】働くならタクシー会社で
フードデリバリーの配達員としての働き方を検討する際は、ぜひタクシードライバーも候補に入れてみてほしい。ケガや事故などが発生したあとも安心度が高いのは、非常に心強いからだ。早速、以下のリンクから転職相談をしてみてはいかがだろうか。
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【参考】関連記事としては「タクシードライバーは誰でもなれる?必要な資格は?年齢制限はある?」も参照。