米EV(電気自動車)大手出身の技術者が設立した米Phantom AI(ファントムAI)はこのほど、新たに3,650万ドル(約48億円)の資金調達を行った。これまでの合計資金調達額は、約8,020万ドル(約105億円)に上るという。
Phantom AIは今回の資金調達により、従来から手掛けている自動運転技術の開発を加速させるものとみられる。
今回の資金調達ラウンドシリーズCには、韓国の投資会社であるKT InvestmentやオーストラリアのRenaissance Asset Managementに加え、新たに米InterVestや韓国Shinhan GIB、Samsung Ventureも加わっている。
■テスラで出会った2人が創業
Phantom AIは、米EV(電気自動車)大手のテスラや韓国自動車大手のHyundaiでADAS(先進運転支援システム)の開発を手掛けてきた2人の技術者により2016年に設立された。その2人とは、韓国生まれのHyunggi Cho氏とChan Kyu Lee氏だ。
2人はテスラに所属していたときに出会い、当時テスラで開発の初期段階であったADAS(先進運転支援システム)や自動運転車の可能性について意気投合し、テスラを辞めて一念発起してPhamtom AIを設立したとされている。
現在Phantom AIが開発しているのは、コンピュータービジョンシステム「PhantomVision」やセンサー「PhnatomFusion」、ADASシステム「PhantomDrive」などだ。これらのソリューションは将来の自動運転技術につながるものとされている。
今回の資金調達で自動運転技術の開発を加速させるほか、同社が現在すでにティア1を含む大手OEMと進めている共同開発プロジェクトを加速させるとしている。
■まさに最強のエンジニア軍団
Phantom AI社の開発チームメンバーのほとんどは、ロボット工学や自律システムなどの修士号や博士号を持つと同時に、それぞれがTeslaやHyundai、Intel、Appleなどでの豊富な経験を有している。まさに最強のエンジニア軍団と言える。
それにしても、テスラ出身者が創業したベンチャーは実に数が多い。自動運転ラボの記事「「テスラ出身」な創業者一覧」でも紹介しているので、参考にしてほしい。
▼Phantom AI公式サイト
https://phantom.ai/
【参考】関連記事としては「自動運転業界のスタートアップ一覧(2023年最新版)」も参照。